
動物は我々と言葉が交わせない。彼らの本当の気持ちを言葉で聞くことはできない。だからこそ、彼らに「情」のようなものがあるのかどうかと、ふと疑問に思ったことはないだろうか。そんな疑問を解いてくれる話をご紹介したい。ひどい扱いを受けていたメスライオンと、彼女を救ったある男性との深い絆の話だ。

メスライオンのクララ。彼女は今、メキシコの動物保護団体の元で暮らしている。
この団体は、サーカスや飼い主からひどい扱いを受けた動物を保護する団体である。
クララもかつて、極悪非道な飼い主の元から救済されたライオンだ。
彼女を救ったのは、アドルフさんという飼育士。傷ついていたクララを懸命に世話し、成長を見守ってくれた、クララにとっての恩人である。
クララを保護団体に引き渡したのはもう何年か前。最後のお別れから一度も会っていなかった2人が、今回再会する運びになった。

Adolfさんは、一抹の不安を覚えていた。果たして、クララは自分を覚えているだろうか。何年も会っていなかった人間を、動物は記憶しているだろうか。再会を喜んでくれるのだろうか。
檻の前にたつAdolfさんをじっと見つめるクララ。
Adolfさんが入った瞬間……




喜んでころこんで、Adolfさんを思わず押し倒してしまうほどのクララ。
Adolfさんのことを、しっかり覚えていた。覚えていただけではない、自分の恩人であることを忘れず、大切な人、大好きな人として胸に留めていたのだ。
期待以上の喜びあふれるお出迎えに、Adolfさんもとても嬉しそう。
言葉が話せなくたって、大切な人のことはきちんと覚えているし、喜びを伝えることができるのだ。
種の壁を乗り越えた2人の友情に、胸が熱くなるエピソードである。
掲載元:http://www.huffingtonpost.de/2017/02/08/mann-rettet-loewin-wiederssehen_n_14639390.html?ncid=fcbklnkdehpmg00000002
(秒刊サンデー:はる)