はじめに
モンブランや栗きんとんなど、和洋問わず秋のスイーツとして親しまれている食材、栗。しかし、栗と一口に言ってもほくほくとして優しい味わいの和栗からしっかりした風味のヨーロッパ産の栗まで、その味わいはさまざま。そんな栗を追求し、1個1万円という究極の栗スイーツを作り出したお店をご紹介します。
文/田口真由美
文化財にも指定されている京都・福知山本店
京都・福知山に本店を構える「足立音衛門」は栗菓子の専門店。フランス菓子に和三盆を使用するなど、新しいお菓子を作り出し人気を集め、今では全国の百貨店でも展開するほどに。本店は大正初期に建てられた町家造りの建物をそのまま利用していて、店内に入ると広々とした三和土や大きな梁などもそのまま。昔ながらの意匠を生かした、古き良き日本家屋の温かみを残すお店になっています。店の周囲にも庭園や茶室、蔵などがあり、当時の建築様式を残すこれら建物は京都府指定の文化財にも指定されているほどです。
日本中はもちろん、世界から厳選した栗を使用
店内に並んでいるのは、どれも栗を使ったお菓子ばかり。しかしそれぞれのお菓子ごとに栗を使い分けていて、国産栗はもちろん、ヨーロッパやチリ、トルコなど世界の栗も取り寄せて使い分けています。ヨーロッパ原産の栗、マローネはやわらかい食感や風味の強さが特徴。和栗は優しい味わいとほっくりとした食感。グラッセにしたり、焼き菓子に入れたりとさまざまな栗の味わい方を楽しむことができます。
和三盆の上品な甘味が引き立てる究極の栗菓子「栗のテリーヌ」
そんな足立音衛門の栗菓子の中でも一番人気なのが、和三盆など日本の食材を使った栗のバターケーキ「栗のテリーヌ」。栗がごろごろと入ったしっとりとしたパウンドケーキで、テリーヌのどこを切っても栗。今までにない栗の存在感に驚かされます。さらに、この栗のテリーヌの究極版「栗のテリーヌ「天」」は地元名産の丹波栗など、食材を惜しまず作り上げた究極の一品。ぎっしり感を楽しめるよう、大粒の丹波栗とヨーロッパ栗の2種を敷き詰め、バターにはフランスでAOCを取得しているラヴィエットバターを、和三盆糖は200年以上の歴史を持つ讃岐三谷家のものを使用。ほかにも北海道産小麦、海水から作り上げた沖縄粟国塩など、とことん素材を追求して完成させました。1本1万円と高額ですが一度は食べてみたい逸品です。
本店でしか買えない限定お菓子も
本店の一角には工房もあり、できたての栗スイーツを販売しています。人気は栗の甘露煮と生クリーム、栗ペーストクリームを包んだシュークリーム。ほかにも栗のタルトや手作りジェラートなど本店でしか買えない限定商品を販売しています。店内の一角と敷地内の一部スペースに椅子などが置かれているので、その場で食べることもできますよ。
丹波栗をはじめ丹波黒豆や大納言など最高級の食材の産地としても知られる京都・福知山から素材にとことんこだわったお菓子を発信し続けている、足立音衛門。栗のテリーヌなど様々な栗菓子はインターネットでも購入することができるので、ぜひチェックしてみてください。
◆足立音衛門 京都本店(あだちおとえもん きょうとほんてん)
住所:京都府福知山市内記44-18
電話番号:0773-24-2043 (お客様専用フリーダイヤル0120-535-400)
営業時間: 9:00~18:30
定休日:元日のみ