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<連載vol.2>野菜ソムリエに聞きました!旅先で知っておきたい野菜の豆知識




はじめに


野菜や果物の知識を身につけ、その美味しさを理解し伝えるスペシャリスト・野菜ソムリエの連載第2弾。
今回は、静岡、京都、広島、沖縄在住の野菜ソムリエに、観光で訪れた際にぜひ味わってもらいたいご当地野菜を聞きました。4名の方のコメントを読めば、思わず現地に足を運びたくなるはず!


【静岡:小櫛さんに聞きました!】プチヴェール

【静岡:小櫛さんに聞きました!】プチヴェール


1990年に磐田市で生まれたアブラナ科の野菜「プチヴェール」は、ケールと芽キャベツを交配してつくられたアブラナ科の野菜で、コロっとした見た目がかわいい野菜です。全国のシェアのほとんどを静岡が占めていて、簡単な調理法で美味しく食べられる手軽さと、栄養価の高さが人気の理由です。ビタミンC、カロテン、鉄分、カルシウムを多く含み、バランスも抜群。まるごと捨てるところなく使えるので、エコな野菜でもあります。
ケールと芽キャベツの交配、と聞くと気になるのはそのお味……。実は糖度が11~13度と甘くて美味しいんです!私も始めて食べたときはいい意味で裏切られました。
食べ方はとっても簡単。熱湯で1~2分さっとゆがくだけで鮮やかな緑色になり、料理に彩りを添えてくれますよ。ゆがいた後にグリルで焼くと、さらに甘みが引き立つのでおすすめです。お弁当に緑がない……そんなときもミニサイズでカットせずに入れられるので便利です。そのほかニンニク、オリーブオイル、鷹の爪と組み合わせてペペロンチーノにしたり、胡麻和えやてんぷらなど、和食にしても美味しくいただけます。11月下旬から3月頃まで市場に出回りますので、ぜひ一度味わってみてください。

◆小櫛香穂(おぐしかほ)さん/野菜ソムリエ
静岡県で暮らし始めて10年以上。温暖な気候と豊かな食材に魅了されて野菜ソムリエに。野菜果物の知識を現場で取り入れながら、消費者や食の世界のプロへ情報発信を行っている。

【京都:工藤さんに聞きました!】玄琢(げんたく)ねぎ

【京都:工藤さんに聞きました!】玄琢(げんたく)ねぎ


「玄琢ネギ」は九条ネギの一種で京都市北区の玄琢地区で古くから栽培されている伝統野菜。栽培期間が1年以上と長く、「九条太ネギ」に分類されるしっかりとした太さが特徴で、古くは鍋などの炊きもので重宝されました。
青く柔らかいところはうどんにたっぷり乗せて食べるのが京都流。太く白い部分はオーブンでじっくり火を入れて焼きネギにすると、甘みが増してそれだけでご馳走に!ネギ=和食のイメージを裏切って、パスタにしても絶品です。例えば京都土産の定番のひとつ、「ちりめん山椒」に使われるシラスと合わせて、素材を活かしたシンプルなイタリアン「アーリオオーリオ」に。青い葉の部分を生地に練りこんだグリッシーニ(スティック状のパン)も考案したことがありますが、とっても好評でした。
冬の玄琢ネギの葉の中には、通称“あん”や“とろ”と呼ばれる透明なジュレがたっぷり入っています。このジュレには粘膜を保護するムチンが豊富に含まれているので、洗う際に流れてしまわないよう要注意!パスタと絡めて残さず食べてくださいね。
「ネギ」と一口に言っても、全国のご当地ネギを集めて食事会が開けるほど、味もレシピもさまざまです。玄琢ネギはその中でも群を抜いて味わい深く、捨てるところがありません。ぜひ京都に訪れたら購入してみてください。


◆工藤豊(くどうゆたか)さん/野菜ソムリエプロ
1度は出版社に勤めるも、夢だった料理の世界を諦められずに老舗イタリア料理店で勤務。野菜ソムリエ取得後に、勤めた2つのお店のいずれも「日本野菜ソムリエ協会認定レストラン」に導く。現在京都・河原町の「イタリア食堂910」で腕を振るいつつ、各種カルチャースクール講師なども務める。
【広島県:峰さんに聞きました!】広島菜

【広島県:峰さんに聞きました!】広島菜


「広島菜」はアブラナ科に属する野菜で、白菜の一種。長野の野沢菜、九州の高菜と並んで日本三大漬菜と呼ばれています。1株の長さは50~60cmほどで、重さが3kgを超えると大きな緑の葉が幾重も重なり、風格が出てきます。10月下旬に間引き菜が出荷されることもありますが、生で出回ることはほとんどなく、加工された「広島菜漬」が主流です。


炊きたてのごはんのお供として、おにぎりの海苔代わりとして、他にも細かく刻んでチャーハンの具材にするなど、ごはんとの相性は抜群!広島名物の牡蠣の土手鍋のシメに、広島菜漬を入れることもあるようです。
広島生まれ、広島育ちの私からすると広島菜漬は子どもの頃からなじみが深く、母が食べやすい大きさに切って常備菜として保存していたのを覚えています。毎日の食卓の1品としてはもちろん、我が家ではお正月のお雑煮の薬味としても使っていました。カツオと昆布の合わせだしに薄口醤油の上品な味付けで、淡い琥珀色のだしに浮かぶ白いお餅と緑の広島菜のコントラストが印象的でした。広島菜は百貨店や道の駅、スーパーなどで扱っているので、ぜひお土産に買ってみてください。

◆峰しのぶ(みねしのぶ)さん/野菜ソムリエ
広島県在住。自身の料理好きが高じて始めた料理教室10年目を機に、野菜ソムリエの資格を取得。季節の野菜をふんだんに取り入れた料理を毎月提案している。
【沖縄:桃原さんに聞きました!】ぐしちゃんいい菜

【沖縄:桃原さんに聞きました!】ぐしちゃんいい菜


沖縄では昔からカズラ(イモのつる)が食べられていて「ガンダバー」の愛称で親しまれていました。「ぐしちゃんいい菜」はそのイモ「ちゅらまる」を品種改良し、野菜としてより食べやすくしたもの。生産地である八重瀬町具志頭地区の愛称「ぐしちゃん」と、イモの品種名「沖育01-1-7」を合わせて「ぐしちゃんいいな(117)」と名付け、販売したのが始まりです。ポリフェノールやビタミン、食物繊維が豊富で、青汁やサプリの原料になるほど栄養満点!そのうえ胃腸の疲れを和らげてくれる効果も期待できます。
もっともポピュラーな食べ方は「ガンダバージューシー」という味噌で味付けをした雑炊です。地元沖縄では昔からなじみのある料理で、我が家では母が前日の残り物の味噌汁とごはんに、庭先で摘んだガンダバーを足して煮込んでいました。ぐしちゃんいい菜なら、従来のガンダバーと比べてクセがなく、食べやすく改良されているので、ホウレン草や小松菜のように使うことができますよ。スムージーにすれば、その他のフルーツが少量でも飲みやすく、旬の夏場にぴったりの爽やかな味わいが楽しめます。
葉野菜の生産が難しくなる夏場が最盛期の珍しい野菜。植物防疫法によって県外への持ち出しは禁止されているので、ぜひ夏の沖縄旅行の際に味わってもらいたいです。

◆桃原未希(とうばるみき)さん/野菜ソムリエプロ
沖縄県在住。野菜と料理への苦手意識がある自身の経験をもとに「苦手意識のある人でも野菜を食べる量を増やすための提案」を使命として、青果物卸会社で企画営業のほか、試食販売や食育講座を行う「ベジ育」を担当している。

おわりに


知っている野菜はいくつありましたか?野菜のプロならではの食べ方はぜひ参考にしたいところ。
旅先のお土産として、また現地でしか食べられないご当地グルメとして、旅マエにご当地野菜を調べてみてください。

野菜ソムリエに興味がある!という方は、ぜひ下記紹介ホームページを見てみてくださいね。
次回は野菜ソムリエ考案の野菜を美味しく食べるレシピをご紹介します。



野菜ソムリエになろう(日本野菜ソムリエ協会)





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