はじめに
天竜川(てんりゅうがわ)といえば、“暴れ川”という異名をもっていることでも有名です。
昔から、その周りに暮らす人々は、天竜川とよりそって生活してきました。
今回は、長野県・愛知県・静岡県3県をまたがる天竜川の魅力をご紹介します!

長野県・愛知県・静岡県3県をまたがる暴れ川♪「天竜川」とは?
天竜川は、長野県から愛知県、静岡県に渡って流れ、太平洋に注ぐ天竜水系の本流です。
全長213km、流域面積は5090平方km・
流域延長は全国9位で、流域面積は全国12位と比較的大きな川なんですよ!
日本の屋根と呼ばれる、赤石山脈と木曽山脈に挟まれながら流れる天竜川水系は、急勾配な地形であるため、古来から水害に悩まされる地域でもありました。
昔からこの流域に住む人たちは水と闘い、共存してきたという歴史があるのです。

長野県・愛知県・静岡県3県をまたがる暴れ川♪「天竜川」の概要
天竜川は、長野県岡谷市の釜口水門を源流とする川です。
ちなみにこの釜口水門(かまぐちすいもん)は、諏訪湖の唯一の出口でもあります。
長野県を流れ、伊那谷(いなだに)を作り、愛知県をかすめて静岡県に流れて、遠州灘に注いでいますよ。
流域は、勾配が急な地形のため、「暴れ川」や「暴れ天竜」などと昔からよばれており、治水工事やダムが作られました。

長野県・愛知県・静岡県3県をまたがる暴れ川♪「天竜川」の伝説
天竜川にはこのような伝説が残っています。
桓武天皇(かんむてんのう)が治めていた時代のこと、桓武天皇より勅命受けた坂上田村麻呂(さかのうえたむらまろ)が船岡山に訪れた際、天竜川は荒れていました。
そのため坂上田村麻呂は、船岡山の鬼門にある岩水寺に参拝し、薬師様に天竜川の氾濫に苦しむ民衆を救いたまえと祈願したのです。
すると不思議なことに、荒れ狂う海から美しい「玉袖」と名乗る姫が、薬師様の神々しい光とともに現れました!そして坂上田村麻呂の身近の世話をし、二人は結ばれ、玉袖は子どもを身ごもったのです。
出産際に、玉袖は「産屋の中を決して覗かないでください。」と言いました。
しかし数日後、激しい嵐になったため心配になり、坂上田村麻呂は玉袖との約束を破って様子を見に行ってしまいました。産屋の中を見ると、なんとそこには大蛇と赤ん坊がいるのです……!
実は玉袖は、天竜川に住む大蛇でした。
玉袖は、坂上田村麻呂に子どもと2つの宝珠預け、岩水寺の赤池に戻っていきました。
それから8年後、坂上田村麻呂はその子どもと一緒に、再び船岡山に訪れました。
荒れ狂う天竜川に玉袖からもらった宝珠を投げ入れたたところ、荒れていた川が収まったといわれています。
ちなみに、この玉を投げ入れてへこんだ地域を「有玉」といわれており、珠の光るところに建てられた神社を俊光将軍社と呼んでいるんですよ。

長野県・愛知県・静岡県3県をまたがる暴れ川♪「天竜川」のおすすめ撮影スポット
天竜川のおすすめ撮影スポットは、「佐久間ダム」です。
ダムファンの聖地ともいえるダム佐久間ダムは、無機物と自然が一体化していて、魅力あふれる撮影スポットとなっています♪
レトロな佐久間発電所の取水塔や、底の見えないダム湖などを被写体に、どこかノスタルジックな写真を撮影することができますよ。
いつもと違う被写体を探しているカメラファンにもおすすめのスポットです。

長野県・愛知県・静岡県3県をまたがる暴れ川♪「天竜川」おすすめの季節
天竜川のおすすめの季節は、秋です。
天竜川には、天竜峡といわれる長野県飯田市にある渓谷があります。
天竜峡は国の名勝、および天竜奥三河国定公園に制定されている場所なんですよ。
そんな天竜峡は「暴れ川」の異名をもつ天竜川の流れによって、花崗岩が侵食されてできた渓谷です。
アカマツやモジミが自生しており、紅葉の時期には風光明媚な姿を見せてくれますよ♪
ぜひ、天竜峡の渓谷で紅葉狩りを楽しんでくださいね。
◆天竜峡
住所:長野県飯田市川路4874-1
電話番号:0265-27-2946(天竜峡観光案内所)

長野県・愛知県・静岡県3県をまたがる暴れ川♪「天竜川」のおすすめアクティビティ
天竜川のおすすめアクティビティは、「川くだり」です。
天竜ライン下りとも呼ばれており、弁天港から時又港まで6kmの距離を、約35分かけて下りますよ。
途中、ウサギ岩などの特徴的なスポットをめぐったり、渦巻く黒瀬ヶ淵を超えたりといったスリリングな場所もあります!
川下りだけでなく、季節によってはイベントと一緒に楽しめる季節限定のプランなどもありますよ。ぜひ、昔から楽しまれてきた“天竜ライン下り”を体験しみてくださいね♪
◆天竜舟下り
住所:長野県飯田市松尾新井7170
電話番号:0265-24-3345
天竜舟下り

長野県・愛知県・静岡県3県をまたがる暴れ川♪「天竜川」へのアクセス方法
それでは最後に、天竜川の渓谷である「天竜峡」へのアクセス方法をご紹介します。。
【自動車をご利用の場合】
中央自動車道「高井戸IC」から「飯田山本IC」(約3時間30分)降りて、 三遠南信道路(無料区間)で天龍峡ICへ(約5分)→ その後、天龍峡(約3分)
【公共交通機関】
JR中央東線あすざ「新宿駅」→ 岡谷駅下車(約2時間36分)→ JR飯田線→天竜峡(約2時間10分)
JR東海道新幹線「東京駅」→「豊橋駅」下車(約2時間30分)→JR飯田線「伊那路駅」→ 天竜峡(約2時間10分)
おわりに
ダムや美しい渓谷など、観光の名所がたくさんある天竜川。
とても「暴れ川」と呼ばれていたとは思えない、素晴らしい風景を随所で見られますよ♡
ぜひ、天竜川の鮮やかな水面を堪能してみてください♪