はじめに
自由に海外に行きづらくなった昨今、せめて料理だけでも現地の雰囲気を感じていたいと思う人は多いでしょう。エスニック料理というと夏に食べるイメージですが、実は、冬にもおすすめです。鍋料理やスープに香辛料を使うことで、さらに体が温まるほっこりした料理がたくさんあります。さぁ、アジアを出発して、はるかアフリカ大陸まで。都内で楽しめるエスニック料理の旅に出かけましょう。Text&Photo:伊能すみ子
【1】麻辣ブームの主役! 中国四千年の歴史を味わうパンダだらけの「火鍋」/ 池袋
まずは、中国から。火鍋は日本の鍋料理と同様に、地方それぞれに特徴があります。特に昨今の麻辣ブームによって人気となった四川料理代表の火鍋は、花椒や唐辛子をたっぷり使っていて、辛い物好きにはたまらない鍋です。数ある火鍋専門店からセレクトしたのが、今や東京のリトルチャイナタウンと言われる池袋北口エリアにある火鍋食べ放題店「熊猫火鍋」。 “熊猫”(中国語)とはパンダのことで、店内にはさまざまな場所にパンダの装飾が。



周りに気兼ねなく食べられる一人用テーブルもあり、スタッフさんが食べ方を教えてくれるので、おひとり様や火鍋初心者にもおすすめですよ。
◆熊猫火鍋(ぱんだほっとひなべ)
住所:東京都豊島区西池袋1-38-1 池袋YSステージビル7F
電話番号:03-6887-5070
定休日:なし
【2】マレーシア人シェフが作る絶品漢方スープ「肉骨茶」/荻窪
続いては、マレー系、中国系、インド系といった多民族国家であるマレーシアへ。中国系の代表的料理が、豚肉を煮込んだ漢方スープ「肉骨茶(バクテー)」です。一年を通して暑い国なのですが、その分交通機関や建物内は冷房ガンガンの寒さ。体を温めるうえでもバクテーは欠かせない料理のひとつです。訪れたのは、創業20年のマレーシア料理店「馬来風光美食(まらいふうこうびしょく)」。バクテーやカレーのレトルト食品の監修も手がけるマレーシア人店主エレンさんのお店です。


エレンさんいわく「時間が大切! 数時間じっくりと煮込むことでスープにおいしさが浸透していく」とのこと。野菜もたっぷりで栄養満点! お子さんからお年寄りまで幅広く愛されている味です。
◆馬来風光美食(まらいふうこうびしょく)
住所:東京都杉並区天沼2-3-7 SAKAIビルB1F
電話番号:03-5938-8633
定休日:月曜日
【3】モロッコでエキゾチック体験! 無水料理が人気の「タジン鍋」/ 中目黒
最後は、モロッコへと誘います。北アフリカに位置するモロッコは、城壁に囲まれた旧市街の街並みや砂漠地帯など、エキゾチックな雰囲気が漂う国です。水が貴重な土地柄で、必要最低限の水で調理できるタジンという円錐型の土鍋が定番の調理道具です。


タジン鍋のかわいらしい形も写真映えするので、ぜひ撮影してみてください。ディナータイムには、モロッカンスタイルのタパスもあり、大人のムード溢れる雰囲気もおすすめです。
◆リゴレット ショートヒルズ
住所:東京都目黒区中目黒1-2-13
電話番号:03-5773-1241
定休日:なし

アジアンフードディレクター/1級フードアナリスト。毎日エスニック料理三昧の幸せな日々。日本の飲食店情報をメディア中心に発信。年に数回アジア諸国を巡り、屋台料理から最新トレンドまで、現地の料理や食文化を伝えている。日本エスニック協会アンバサダーとして活動。「マツコの知らない世界」(TBS系列)では、エスニックレトルト食品の世界を紹介。著書に『マカオ行ったらこれ食べよう!』(誠文堂新光社)がある。