バニラエアの五島勝也社長は、観光業界の国際カンファレンス「WIT JAPAN & NORTH ASIA 2016」で講演し、格安航空会社(LCC)8社が設立した「バリューアライアンス」や販売戦略について語った。
2015年度と2014年度を比較すると、キャパシティは41%増加した一方で、乗客は61%増加。定時運航率が85%であることや、安定した運航実績が利用者増加に寄与したという。その上で自身を「クロスボーダーのEコマース」と、航空会社だけではなくEコマースの会社であるとし、国際線の乗客の70%が外国人で、ウェブサイト訪問者の40%が海外からであることから、ローカライゼーションが鍵になると話した。現在は予約の90%がBtoC、10%がBtoB。すでにBtoCのアクセスのうち3分の2、予約の3分の1がモバイル経由だという。一方で、エクスペディアやDeNAトラベルなどのオンライン旅行会社(OTA)やスカイスキャナーやTravel.jpなどメタサーチからの訪問者は15%となっており重要なパートナーとした。将来的な売上比率は「バリューアライアンス」からより、OTAからのほうが多くなると予測している。
その後講演した、香港エクスプレス航空のアンドリュー・コーウェン最高経営責任者(CEO)は、香港エクスプレス航空のBtoCの割合は95%、アクセス数に占めるモバイルの割合は同じくらいと述べている。また、航空会社はブランドの信頼性が高くなる傾向にあり、そこで販売するブランドの信頼性も高くなる可能性があるとした。
「バリューアライアンス」はディストリビューションにフォーカスし、従来の航空アライアンスとは違い、アライアンスの下で利用者は8社が接続するフライトは全て予約できるようにするという。これによりカバーエリアは170拠点にのぼる。