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2025年の航空業界、総収入1兆米ドル超え 原油価格下落で利益率改善【#IATAGMD】


国際航空運送協会(IATA)は、2025年の航空業界の利益率が3.6%に改善すると予測し、総収入が1兆700億米ドルに伸び、過去最高を更新する見込みを明らかにしました。旅客数は52億人で、運航便数が4,000万回に達する予測です。しかし、原油価格の低下による恩恵がある一方で、サプライチェーンの効率化とパフォーマンス改善が求められています。コストは9,400億米ドルと4%増加し、人件費も前年比7.6%増加する見通しです。リスクとして地政学的問題や経済政策による影響も指摘されました。

国際航空運送協会(IATA)は、2025年の航空業界の利益率が3.6%に改善するとの見通しを示した。スイス・ジュネーブで開催中のIATAグローバル・メディア・デー(IATAGMD)で明らかにした。

2025年の総収入は1兆700億米ドルに伸長し、1兆米ドルを超えて過去最高となる見通し。営業利益は675億米ドル、純利益は366億米ドルを見込んでいる。旅客数は52億人となり、2024年比6.7%増と過去最高の50億人台と予測する。運航便数は4,000万回(前年比4.6%増)に達する。

総収入は世界経済のほぼ1%を占めるものの、約9,400億米ドルの税金や利息の支払いにより、1人あたりの利益は7米ドルと薄利は続く。原油価格下落の恩恵を受けるものの、サプライチェーンの効率化やパフォーマンスの改善が必要となる。コロナ禍の繰越欠損金を使い果たし、税率の上昇による利益圧迫も予測する。

旅客収入は7,050億米ドルで、付帯収入として1,450億米ドルを予想する。イールドは3.4%低下し、平均運賃は380米ドルを見込む。物価調整済みの実質ベースでは、2014年比44%の低下となる。旅客需要は8%増、供給量は7.1%増で、平均座席利用率は83.4%を見込む。IATAの世論調査では、調査対象の41%が旅行回数を増やす、53%が維持すると回答した。さらに47%が旅行に費やす費用を増やす、46%が維持すると答えた。

貨物収入は1,570億米ドルで、需要は6%増加し、収益はコロナ前の水準を大きく上回る。地政学の不確実性による船舶から航空輸送への転換や、アジア発のeコマース需要増加が後押しする。

コストは9,400億米ドルに前年比4%増加する見通しで、人件費の上昇やストライキ関連費用、機体のメンテナンスコストといった燃油以外の増加が顕著になる。このうち人件費は前年比7.6%増の2,530億米ドルに達するものの、生産性も向上する。労働力は4%増の330万人を予測する。

ジェット燃料の価格は、ロシア・ウクライナ戦争の開始以来初めて、9月に1バレルあたり70米ドルにまで下落した。2025年には前年比12米ドル減の1バレルあたり平均87米ドルを見込む。カーボンクレジットの購入に伴うコストも増加する。

リスクとして、ヨーロッパと中東での紛争拡大、トランプ政権による関税や貿易戦争のほか、金利引き上げやインフレ再燃、原油価格の変動を挙げた。(取材協力:IATA)

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