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成田ハブ復活への先駆けか ユナイテッド航空・東京/成田〜セブ線UA32/33便【搭乗レポート】


ユナイテッド航空は、東京成田からフィリピンのセブ島への直行便を2023年10月27日に開設しました。この新路線で、フィリピン航空とセブパシフィック航空に続く3社目となり、成田からの移動の選択肢が増えることになります。便はボーイング737-800型機で運航され、1日1往復のスケジュールを組んでいます。以前の以遠権路線を2017年に休止して以来、7年ぶりの再開となりました。今後も成田からウランバートルや高雄、コロールへの新たな路線の開設が計画されています。成田初便は満席近くで、搭乗客の多くがフィリピン人でした。この路線は乗り継ぎ便との接続も考慮され、利用しやすいスケジュールになっています。機内サービスでは、フライト時間中に食事やドリンクの提供が行われ、セブ到着前に歓迎のウォーター・サルートがありました。

ユナイテッド航空は、東京/成田〜セブ線を10月27日に開設した。東京/成田からの以遠権を行使した路線で、1日1往復運航する。同路線はフィリピン航空とセブパシフィック航空も1日1往復ずつ運航しており、新たにユナイテッド航空が加わったことで合わせて1日3往復に。日本からセブ島への移動の選択肢が増えた格好だ。機材は東京/成田〜グアム線と共通運用の737-800型機で、ビジネスクラス16席、エコノミークラス150席の2クラス計166席仕様。グアムベースのクルーが乗務する。

ユナイテッド航空は過去に、東京/成田から香港やソウル/仁川など近隣アジア地域への以遠権路線を複数展開していたが、全日本空輸(ANA)との共同事業(JV)拡大などを背景に2017年までに全て運休。日本からの以遠権路線は7年ぶりの復活となった。ちなみに、東京/成田〜セブ線のUA32/33便は東京/成田〜ロサンゼルス線と同一便名となっている。

同社はさらに、東京/成田からの以遠権路線として、2025年5月1日にウランバートル線、同年7月11日に高雄線、同年夏スケジュール中にコロール線の開設を計画している。桐山謙一日本・ミクロネシア地区営業担当支社長は東京/成田〜セブ線の就航セレモニーで、太平洋地区の路線網を拡大したい考えを示しており、“成田再ハブ化”も見据えていることがうかがえる。

さて、東京/成田〜セブ線のダイヤを見ると、往路のUA32便が午後5時30分に東京/成田を出発し、セブには同10時5分に到着。復路のUA33便は午前9時30分にセブを出発し、東京/成田には午後3時15分に到着する。そもそもが以遠権路線ということで、夕方に発着が集中する北米線との接続が考慮されたスケジュールとなっている。

競合するフィリピン航空は、往路のPR433便が午後2時35分東京/成田発、同7時セブ着。復路のPR434便が午前8時10分セブ発、午後1時35分東京/成田着と、往復ともユナイテッド航空と比較的近い時間帯だ。

セブパシフィック航空は、往路の5J5063便が午前8時55分東京/成田発、午後1時25分セブ着。復路の5J5062便は午前2時25分セブ発、同8時10分東京/成田着。こちらはLCCらしく、弾丸旅行者にとって使い勝手がいいスケジュールが組まれている。

東京/成田発の就航初便に搭乗

今回利用したのは就航初便となる10月27日。ユナイテッド航空は搭乗者実数を公表していないが、ほぼ満席と言って差し支えのない埋まり具合だった。全体的にはフィリピン人が多い様子で、見る限りでは日本人は数える程度。米本土からの乗り継ぎとみられる人も少なくなかった。

改めてスケジュールを確認しておくと、往路のUA32便は午後5時30分に東京/成田を出発し、セブには同10時5分に到着。所要時間は5時間35分となっている。前述の通り、北米線からの乗り継ぎを考慮したスケジュールである。

セブ到着後はそのまま宿泊施設に直行する形になると思うが、初日はリーズナブルなホテルに投宿すれば、それほどコストもかさまず翌日は朝から行動できる。空港があるマクタン島内だけでも宿泊地の選択肢は多い。

この日は出発準備に時間を要したほか、出発便の輻輳もあり、A滑走路から離陸したのは午後6時25分頃。離陸後、予定飛行時間は4時間39分である旨がアナウンスされた。

気流の影響でしばらくは小刻みな揺れが続いたが、離陸からちょうど1時間経ったところで機内食とドリンクのサービスが始まった。機内食は「フライドチキン(人によっては“KARAAGE”と言っていた) or パスタ」ということで、パスタを選択。マッシュルーム入りトマトソースのマカロニが提供された。

[caption id="attachment_321768" align="alignnone" width="900"] ▲短距離路線のエコノミークラスではアルコールが有料だが、ソフトドリンクが充実している。AHAスパークリングウォーターをオーダー[/caption]

「出発前にラウンジでカレーを食べすぎたかもしれない」(3杯食べた)などと満腹感にやや苦しんでいる間も、飛行機はフィリピン海を順調に南下。やがて大小さまざまなフィリピンの島々が見えてきた。

お祭り感のあった東京/羽田〜グアム線の初便に比べると、今回は全体として大人しい雰囲気の機内だったが、到着直前に「ビューティフルアイランド・セブにようこそ!」というアナウンスが流れると、乗客から自然発生的に拍手が湧いた。

セブに着陸したのは午後9時50分頃。誘導路上で歓迎のウォーター・サルートをくぐると、再び盛大な拍手が湧き起こった。

[caption id="attachment_321775" align="alignnone" width="900"] ▲セブ空港では伝統衣装を纏ったスタッフが到着客を歓迎[/caption]

セブ空港は荷物の確認が厳重

復路のUA33便は10月31日に利用。セブ出発は午前9時30分ということで、セブ空港には午前7時頃に到着した。国際線が発着する第2ターミナルは2018年7月にオープン。屋根の木製アーチと大きな窓のステンドグラス、貝殻の破片が埋め込まれたテラゾー(人造大理石)の床材がリゾートホテルのような雰囲気を醸し出している。

セブ空港はセキュリティチェックの厳重さが印象的だった。まずはターミナルの入口で予約便の確認がある。搭乗客以外はそもそもターミナルに入れないようである。その後、チェックインカウンターに並んでいる間、セキュリティスタッフが「他人から預かった荷物はないか」「パッキングは自分でしたか」といった荷物に関する確認を一人ひとりに行っていた。さらには搭乗ゲートの手前でも荷物に関する質問があった。空港内で何か購入したかというような簡単な確認だったが、それだけ荷物に関するトラブルが多いのかもしれない。

出発便が少ない時間帯だったため滞りは特になかったものの、万が一のトラブルに備えて、普段の感覚よりも少し早めに空港に到着しておくことを推奨したい。

[caption id="attachment_321770" align="alignnone" width="900"] ▲復路の機内食はチキンwithポテト。もう一つの選択肢は「Tempura」とのこと[/caption]

フライト自体は特に変わったことはなく、ユナイテッド航空アプリのゲームで遊んでいるうちに、あっという間に到着。四方八方から飛んでくる飛行機を衝突させないように誘導するこのゲーム、ユナイテッド航空の担当者に勧められて試しにプレイしてみたのだが、すっかりハマってしまった。

[caption id="attachment_321786" align="alignnone" width="900"] ▲ユナイテッド航空アプリ内で遊べるゲーム「Cleared to Land」(スクリーンショット)[/caption]

東京/成田には定刻で到着。午後3時半頃には到着ロビーに出ることができた。さて、セブ線のレポートという本旨からは外れるものの、成田空港の第1ターミナルといえばプライオリティ・パスで利用できる「肉料理 やきすき やんま」である。行列必至の人気店だが、午後3時台という食事には中途半端な時間のためチャンスかもしれない。

ということで、試しに様子を見に行ってみたところ、思惑通り行列は短め。やきすき定食を堪能し、日本に帰ってきたことを実感しながら帰路に就いた。(取材協力:ユナイテッド航空)

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