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門司港駅、大正時代の姿に復原 3月10日グランドオープン




JR九州の門司港駅が約6年半の保存修理工事を終え、創建当時の姿で3月10日にグランドオープンを迎える。



門司港駅は、1891年に開業した旧門司駅を前身として1914年に創建。1988年に鉄道駅舎として日本で初めて国の重要文化財として指定を受けた。一方、創建から約100年が経過した駅舎は老朽化が進んでおり、JR九州は2012年から保存修理工事に着手。合わせて、約100年の間に施された改修等で変わってしまった部分が創建当時の姿に復原されることとなった。





工事前は白いペンキが塗られていた外壁は、木材を下地としたモルタル仕上げに復原。緑のスレートと銅版が葺かれていた屋根は、かつての天然の石盤葺きによみがえった。大正から昭和の間に失われてしまった屋根飾りも復原されている。




▲復原前の門司港駅(2007年撮影)。車寄せの庇があった。





正面にあった大きな庇は1929年に取り付けられたもの。”創建当時に復原する”ことを重視した今回の工事に際して取り払われた。一方で、1918年に取り付けられた大時計は、九州で初めて取り付けられた電気時計という歴史的価値から、復原後も残されることとなった。








▲旧三等待合室にはスターバックスコーヒーが出店。



内観も創建当初の姿に復原。淡い黄色の腰壁と天井が特徴的な1階の旧三等待合室は、スターバックスコーヒーとして駅舎のグランドオープンと同時に開業する。店内には機関車のナンバープレートやヘッドマーク風のロゴマークが設置されるなど、鉄道との繋がりを持たせたデザインになっている。





旧一・二等待合室はみどりの窓口と観光案内所として、2018年11月に一足早く供用を開始している。







2階にあった旧食堂は、シャンデリアや焦げ茶色の塗装を復原し、「みかど食堂 by NARISAWA」としてオープンする。クラシックモダンをコンセプトに、北九州市の企業が製作したディスプレイキャビネットや、福岡県内の作家による工芸作品などを取り入れた。




▲カラトリー類は旧食堂でも使用されていたノリタケ製。




▲旧貴賓室は「みかど食堂 by NARISAWA」の個室として使用される。



JR九州の担当者によると、今回の復原にあたっては解体の際に駅舎から発見された古い部材などを参考にしている。見つからなかった箇所については、近隣住民などに呼びかけて写真や資料を募ったという。



グランドオープン当日は駅前広場で式典が開催されるほか、門司港駅一帯で記念イベントなどが行われる予定。

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