9月12日夜に放映された、テレビ東京の人気番組「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」第21弾。その道中、「もし違う選択をしていたら……」という場面がいくつかありました。もしそこで別の決断をした場合、どうなっていたのでしょうか。
“南海”だった人気シリーズの第21弾
【この記事には番組のネタバレを含みます】
テレビ東京の人気番組「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」。女優の高橋ひとみさんを“マドンナ”に迎えたその第21弾が、2015年9月12日(土)に放映されました。
出発地は大阪府堺市にある南海電鉄の堺駅で、目的地は紀伊半島の正反対、三重県鳥羽市の鎧崎灯台。ただ今回は旅の途中、紀伊半島最南端で本州最南端でもある潮岬(和歌山県串本町)がチェックポイントに設定され、そこへ立ち寄る必要がありました。
結果的には、ルートが非常に“南海(なんかい)”で上手く進まなかった前半の鬱憤を晴らすように、4日目に怒濤の追い上げがありましたが、残念ながら鳥羽市の手前、伊勢市駅前(三重県伊勢市)で接続がなくなり、シリーズ6回目の“失敗”になってしまいました。
ですがその途中、「もしこのとき、違う選択をしていたら……」というシーンがいくつか存在しています。
最も大きいのは3日目、紀伊田辺駅前(和歌山県田辺市)です。ここで一行はノンビリコーヒーを飲み、新宮行きのバスを逃してしまいます。
番組内でも“痛恨のシーン”として描かれていたここで、もし新宮行きのバスに乗れていたら、はたしてどうなっていたのでしょうか。
運命の快速バス「熊野古道3号」
逃してしまった田辺駅前10時15分発の明光バス、快速「熊野古道3号」。これに乗ると、次のように乗り継ぐことができます。
■3日目
田辺駅前 10時15分【明光バス快速「熊野古道3号」】12時43分 新宮駅(和歌山県新宮市)
新宮駅 13時00分【熊野交通バス】14時48分 潮岬(和歌山県串本町)
潮岬 16時48分【熊野交通バス】18時36分 新宮駅
新宮駅前 19時30分【三重交通バス】20時12分 熊野市駅前(三重県熊野市)
■4日目
熊野市駅前 6時22分【三重交通バス「南紀特急」】8時22分 滝原宮前(三重県大紀町)
滝原宮前 9時20分【三重交通バス「南紀特急」】10時17分 春日町(三重県松阪市)
春日町【徒歩約7km】早馬瀬口(三重県松阪市)
早馬瀬口 12時05分【三重交通バス】12時31分 伊勢市駅前(三重県伊勢市)
伊勢市駅前 13時28分【三重交通Canバス】14時29分 鳥羽バスセンター(三重県鳥羽市)
鳥羽バスセンター 15時20分【鳥羽市コミュニティバス】16時15分 国崎(三重県鳥羽市)
このように、目的地である鎧崎灯台の最寄りバス停、国崎へ無事に到着。雄大な太平洋の夕景を見ることができました。番組の最後で太川陽介さんが「あれに乗らなかったのが敗因だと思います」と語ったとおり、紀伊田辺駅での新宮行き快速「熊野古道3号」見逃し、やはり致命的でした。
ちなみに、滝原宮前からの「南紀特急」を途中の栃原で下車し、注連指口まで徒歩。そこからバスで伊勢市駅前へ向かうと、最終目的地への到着時間は変わりませんが、歩く距離は約2kmと大幅に短くなります。この栃原~注連指口の徒歩連絡は、第11弾の「高松~伊勢」で過去に行ったことがあります。
「最長バス」で4日目の朝に到着できた可能性も
実はゴールへ、4日目の朝に到着できた可能性もありました。“運命の分かれ道”は2日目の朝、宿泊した粉河駅前(和歌山県紀の川市)です。
一行はそこで海側の南海和歌山市駅へ向かいましたが、もし山側へ向かっていたら、次のようになります。
■2日目
粉河駅前 7時55分【和歌山バス那賀】8時00分頃 那賀営業所前(和歌山県紀の川市)
那賀営業所前 8時15分【和歌山バス那賀】8時50分 橋本市役所前(和歌山県橋本市)
橋本市役所前 9時19分【橋本市コミュニティバス】9時39分 小平(和歌山県橋本市)
小平【徒歩約1km】畑田(奈良県五條市)
畑田 10時10分【五條市コミュニティバス】10時24分 県立五條病院(奈良県五條市)
県立五條病院前 10時40分【奈良交通バス】13時06分 十津川村役場(奈良県十津川村)
十津川村役場 13時10分【十津川村営バス】14時13分 田戸橋(奈良県十津川村)
田戸橋 14時16分【熊野交通バス】15時00分 志古(和歌山県新宮市)
志古 15時07分【奈良交通バス】15時44分 新宮駅(和歌山県新宮市)
新宮駅 16時00分【熊野交通バス】17時48分 潮岬(和歌山県串本町)
■3日目
潮岬(串本)から番組と同じ乗り継ぎで伊勢市駅前20時25分着。
■4日目
伊勢市駅前 7時40分【三重交通バス】8時18分 鳥羽バスセンター
鳥羽バスセンター 8時30分【鳥羽市コミュニティバス】9時18分 国崎
2日目にタイトな乗り継ぎがありますが、実現していれば圧倒的な早さでした。
ちなみにこのルートでは、県立五條病院前~十津川村役場、志古~新宮間で全長166.9km、停留所数167、高速道路を使わない路線で走行距離が日本一の「八木新宮特急バス」を使います。しかし、この八木新宮特急バスはロケ時を含めて現在、災害で一部区間が不通になっているため、瀞八丁(田戸橋)方面への迂回が必要です。ただこの迂回が無くとも、新宮駅到着時間は変わりません。