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フェラーリは6月24日、プラグインハイブリッドパワートレインを搭載した新型ミドシップスポーツモデル「296GTB」を発表した。
2.9ℓV6ツインターボとモーターの組み合わせで総合830psを発揮。2.9秒の0-100km/h加速、最大25kmのEV走行を実現
296GTBは、ドライビングの楽しさを再定義するモデルとして開発された。車名は排気量2.9ℓの6気筒エンジンを積んでいることを示す数字に、フェラーリの伝統である「グランツーリスモ・ベルリネッタ」の頭文字を組み合わせている。
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1960年代に登場した「ディーノ206/246」には6気筒エンジンを搭載していたが、フェラーリのエンブレムの付いた6気筒ロードカーは、この296GTBが初めてとなる。
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エンジンは636ps/740Nmを発揮するバンク角120度の3.0ℓ(2992cc)V型6気筒ツインターボ。これに167psを発するモーターと8速DCTを組み合わせて後輪を駆動する。システム総合で830psを引き出すこのパワーユニットにより、0-100km/h加速を2.9秒、0-200km/h加速を7.3秒、そして330km/hの最高速を実現する。
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バッテリーの容量は7.45kWhで、モーターのみによるゼロエミッション走行時は最大25kmの航続と、135km/hの最高速をマークする。走行モードは「eマネティーノ」でマネジメントされ、「eドライブ」「ハイブリッド」「パフォーマンス」「クオリファイ」の4モードが設定されている。
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そんなパワートレインを積むボディのサイズは、全長4565×全幅1958×全高1187mmで、ホイールベースは2600mm。乾燥重量は1479kg、前後重量配分は40.5:59.5と発表された。
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エクステリアではエアロダイナミクス性能を追求するためアクティブデバイスを採用。「ラ フェラーリ」からインスピレーションを得たアクティブスポイラーをリヤバンパーに搭載し、リヤアクスルに最大100kgのダウンフォースを発生。これによりパフォーマンスドライビング時のコントロール性を高めるとともに、ブレーキング時の制動距離短縮に寄与。車速200km/hから停止までの距離は107mと発表されている。
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外観デザインは、シンプルさと機能性を特徴とする1960年代のフェラーリをベースにしつつモダンなイメージを備え、クリーンでありながらエレガントなイメージを実現。パフォーマンスを追求する要素がスタイリングに無理なく溶け込んでいるのが印象的だ。
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インテリアは「SF90ストラダーレ」で初めて採用されたデジタルインターフェイスに基づいたコクピットが特徴。メインのメーターパネルは、ダッシュボードトリムをえぐった深い位置に配置。助手席側に備わるディスプレイにより、助手席の乗員はコ・ドライバーに匹敵するレベルでドライビング体験を共有することができる。
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