三菱電機は、鉄道や道路の状況を車両で走行しながら高精度に計測・解析する「三菱インフラモニタリングシステム(MMSD)」を用いたサービスに、新たに鉄道分野向けの小径トンネル計測サービスと道路分野向けの全方位撮影サービスを追加し、6月28日から提供を開始する。
車両から分離できるコンテナ型の計測システム(MMSDⅢ)を新たに導入し、低床台車に搭載することで鉄道の小径トンネル計測を実現。また、従来の計測システム(MMSDⅠ)に360°カメラを搭載し、3次元点群データだけでは判別できない対象物を可視化することで、社会インフラ設備の点検業務のさらなる効率化に貢献する。
鉄道分野向け新サービスの特長
・計測システムを車両から分離して低床台車などに搭載し計測時の地上高を抑えることで 、小径トンネル(高さ3,100mm程度)の計測にも対応。これまでの人手による計測作業の自動化を実現
・前進走行時だけでなく後進走行時でも計測可能とすることで、計測車両の転回作業を不要とし、作業時間を大幅に短縮
道路分野向け新サービスの特長
・360°カメラによる道路沿線の全方位画像と高密度レーザー計測による3次元点群データを同時に取得することで、法面の状態や設備の位置などの詳細確認が可能
・点検や補修の計画策定の際に事前に全方位画像と3次元点群データで現場の状況を詳細に確認することで、対象施設・設備の特定や優先順位付け作業の効率化を実現
新サービス提供の狙い
三菱電機は、社会インフラ設備の老朽化や専門知識を持つ点検員の減少などの課題に対応するため、MMSDによる計測・解析サービスを提供している。その中で、鉄道分野では小径トンネル計測への対応や計測作業時間のさらなる短縮、道路分野では現況表示のさらなる詳細化が求められていた。
三菱電機は今回、これらのニーズに応える新サービスを提供することで社会インフラ設備の点検業務をさらに効率化する。また、点検の高度化により補修や交換周期を最適化し、社会インフラのさらなる安全性向上に貢献する。