北米スバル(Subaru of America)が発表した2021年5月の販売台数は、前年同月比で8.8%増の5万6558台と好調。今夏にはアウトバック ウィルダネスの登場でさらにセールスを伸ばす目論見だ。
フォレスターとWRX/STIが牽引した北米スバルの21年5月セールス
北米スバル(Subaru of America)は、2021年5月の販売台数を発表した。その数、5万6558台。新型コロナウイルスのパンデミックが世界経済全体に影響を与えた前年5月と比較すると、8.8%の増加だ。アメリカでは順調に経済活動が回復していることがうかがえる。
この5月で、スバルは13ヶ月連続で4万台以上の販売台数を記録したこととなる。中でも好調だったのはフォレスターで、前年比12%増の2万0006台を販売し、5月としては過去最高の販売台数を記録した。そして、WRX/STIも前年同月比40.5%増の3169台を販売し、こちらも5月としては過去最高となった。前年同月比23%増のアウトバックも立派な成績だ。各車の販売台数は、以下の通り。
北米スバル・車種別販売台数【2021年4月】
フォレスター:2万0006台(+12.0%)
インプレッサ:2946台(−4.5%)
WRX/STI:3169台(+40.5%)
アセント:4310台(−24.9%)
レガシィ:2101台(+7.5%)
アウトバック:1万3994台(+23.0%)
BRZ:19台(−91.6%)
クロストレック(日本名XV):1万0013台(+5.6%)
トータル:5万6558台(+8.8%)
※( )内は前年同月比
北米スバルのであるトーマス・J・ドール社長兼CEOは、「5月は、販売可能な在庫数に基づいて、販売店が非常に効率的な販売活動を行ったことで、このような素晴らしい結果を達成することができました」とご満悦。「この夏にはアウトバック ウィルダネスが登場することで、この勢いが続くことを期待しています」と、さらなるセールス増に期待を寄せている。
ちなみにアウトバック ウィルダネスは、最低地上高を240mmまでアップさせて悪路走破性を高めるとともに、専用のエクステリアアイテムでタフなイメージを増強させたモデルだ。
好調を維持する北米スバルだが、心配な材料がないわけではない。そう、半導体不足だ。
北米スバルのジェフ・ウォルターズ販売担当上級副社長は、「クラストップレベルのクルマを求める消費者は、引き続きスバルの販売店に集まっており、比類ない価値や安全性能など、スバルが提供する機能に対して強い魅力を感じていただいています」と強気なコメントを残す一方で、「世界的な半導体の不足は、すべての自動車業界において生産と在庫レベルに影響を与え続けています」と、先行きに一抹の不安を覗かせた。
スバルは2022年度、全世界で100万台の販売台数を計画している。その中心となるのは、もちろん主力の北米市場である。スバルが計画を達成できるか否かは、今後の半導体の供給状況が大きな要因となりそうだ。