2020年の国内登録車のベストセラーは、トップがトヨタ・ヤリス、2位がライズ、3位がカローラとなっている。TOP10のなかで6位にいるのがトヨタ・ルーミーだ。どちらかと言えば地味な存在かもしれないが、ルーミー、とても売れているのである。
まずは、2020年の国内登録車の販売台数ランキングを見てみよう。
ご存知のとおり、トップはトヨタ・ヤリスで15万1766台も売れた。ヤリスの発売は2020年2月からだから、11カ月でこれだけ売ったことになる。2位はトヨタ・ライズで12万6038台、3位がカローラの11万8276台。ここまでが10万台超えのセールスを記録している。
TOP10は、トヨタが7台、ホンダが2台、日産が1台となっている。6位に入っているのがトヨタ・ルーミーなのだ。ルーミーは、ヤリスと同じコンパクトカーだが、ちょっと背が高いトールワゴン型のコンパクト。LivingとDrivingを掛けた「1LD-CAR」がコンセプトだ。
ルーミーは、トヨタの子会社であるダイハツ工業が製造し、トヨタにOEM供給しているクルマだ。
トヨタのクルマとして、「ルーミー(ROOMY)」「タンク(TANK)」があり、ダイハツ版が「トール(THOR)」、スバル版が「ジャスティ(JUSTY)」となっている。デビューは2016年。2020年9月にルーミーがマイナーチェンジをしたタイミングでタンクは廃止、ルーミーと統合されている。だから、ルーミー/トール/ジャスティが現在の兄弟というわけだ。
このルーミー兄弟、とてもよく売れている。
自販連のデータを元に作成したグラフである。スバル・ジャスティは販売台数でTOP50に入ってこないので、このグラフでは割愛してある。販売台数は、ルーミー>タンク>トール>ジャスティという並び。2020年9月にはタンクが廃止になってルーミーに統合されたので、ルーミーの販売台数は伸びている。
グラフの濃い緑色のバーはルーミー、タンク、トールの合計だ。2021年3月は1万8671台を売り上げている。
である。
グラフを見てほしい。
TOPの座はヤリスからライズ兄弟に移る。
ライズ兄弟:15万7191台
ヤリス兄弟:15万1766台
ルーミー兄弟:14万2532台
でルーミー/トールは3位に浮上するのだ。販売台数をカウントしていないジャスティが1万台売れていれば2位かもしれない。
こうしてみると1~6位までトヨタが独占していることがわかる。地味でも兄弟の力は偉大なのだ。そして、地味でも売れるには理由があるのだ。