2021年3月25日から発売された新型のCB1000R。初代デビューは2018年4月、新世代CBシリーズの頂点に君臨する上級ネイキッドスポーツのマイナーチェンジモデルである。いくつか外観デザインの変更にも目が行くが、充実した装備内容と贅沢な乗り味を堪能した。
REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●株式会社ホンダモーターサイクルジャパン
ホンダ・CB1000R.......1,670,900円
既報の通り3月25日に新発売されたCB1000Rは、同シリーズの頂点に君臨する最新モデルである。ホンダ伝統のCBブランドを受け継いで、新たな展開を披露したネイキッドスポーツ。新世代CBとして今や125ccまでリリースされ多くのユーザー層から注目されている人気シリーズの最上位モデルである。
全体的なフォルムに大きな違いはないが、実はキャストホイール・デザインとヘッドランプや、サイドカバーにラジエターカバー等、そしてアルミダイキャスト製シートレール部の色使いもリファインされている。
分かりやすいのはホイールとスラントしたヘッドランプデザインだろう。従来まではレンズが垂直に立ち上げられていたが、新型ではフロントフォークの傾きに沿わせられ、それによってエンジンを中心にメカ部分がひと塊になる凝縮感とホンダが言う台形プロポーションがより強調された。
搭載エンジンや前後サスペンション等の主要メカニズム部分に大きな変更点はない。水冷の前傾4気筒エンジンはDOHC16バルブ。電子スロットルが採用され、ショートストロークタイプの998ccからは、145ps/10,500rpmの最高出力と104Nm/8,250rpmの最大トルクを発揮する。
当初よりスロットル・バイ・ワイヤー(電子制御式スロットル)が採用され、4っつのライディングモードを搭載。モード選択はSPORT 、STANDARD、RAIN、USER。それぞれにプログラミングされた①出力特性、②スロットルレスポンス、③トルクコントロール、④エンジンブレーキ、の各電子制御具合が連動で変更できる。
USERモードは①、②、④が3段階、③は3段階とOFFが好みの組み合わせでそれぞれ任意設定可能である。その制御介入状況はメーター内のレベル表示で把握できる。
5インチ液晶マルチインフォメーションディスプレイも一新されており、ハンドル左側のスイッチを活用して、前述の走行モードや表示内容の変更、またハンドルグリップヒーターのコントロール等が簡単にできる。
さらにスマホと連携できるHonda Smartphone Voice Control systemを新搭載。スマホはBluetooth で接続でき、同じく接続したヘッドセットを使う事で、音声やハンドル左側のスイッチ操作でマップや音楽等のアプリが活用できる。
今や珍しくはないクイックシフターも初代モデルから採用されており、発進停止時以外のシフトワークはクラッチ操作から開放される。
ETCも標準装備され、そのパイロットランプは既にメーター内に組み込まれている。 新世代CBのトップモデルとして、時代の動きを先取りする様に装備の詳細に至るまで熟成されているわけだ。
ライディングモード設定方法
新世代CBの最高峰モデルとして大きな満足感を覚える。
足つき性チェック(身長168cm /体重52kg)
ディテール解説
⬛️主要諸元⬛️
車名・型式:ホンダ・8BL-SC80
全長(mm):2,120
全幅(mm):790
全高(mm):1,090
軸距(mm):1,455
最低地上高(mm):135
シート高(mm):830
車両重量(kg):213
乗車定員(人):2
燃料消費率(km/L):23.0(60km/h)〈2名乗車時〉
WMTCモード値(km/L):17.2〈1名乗車時〉
最小回転半径(m):3.0
エンジン型式:SC80E
エンジン種類:水冷4ストロークDOHC4バルブ直列4気筒
総排気量(cm³):998
内径×行程(mm):75.0×56.5
圧縮比:11.6
最高出力(kW[PS]/rpm):107[145]/10,500
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm):104[10.6]/8,250
燃料供給装置形式:電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉
始動方式:セルフ式
点火装置形式:フルトランジスタ式バッテリー点火
バッテリー容量:12V-8.6Ah(10HR)
潤滑方式:圧送飛沫併用式
潤滑油量(L):3.5
燃料タンク容量(L):16
クラッチ形式:湿式多板コイルスプリング式
変速機形式:常時噛合式6段リターン
変速比:
1速 2.538
2速 1.941
3速 1.578
4速 1.363
5速 1.217
6速 1.115
減速比(1次/2次):1.604/2.933
キャスター角(度):25゜00′
トレール量(mm):100
タイヤ(前/後):120/70ZR17M/C(58W)/ 190/55ZR17M/C(75W)
ブレーキ形式(前/後):油圧式ダブルディスク/ 油圧式ディスク
懸架方式 (前/後):テレスコピック式(倒立サス)/ スイングアーム式(プロアーム)
フレーム形式:ダイヤモンド
⚫️試乗後の一言!