3月12日、日産自動車および岐阜日産自動車は、海津市と電気自動車を活用した「災害連携協定」を締結したと発表した。
日産自動車が締結した自治体・企業との災害連携協定としては全国で88件目。EVを活用したエネルギーマネジメントや観光などを含む「ブルー・スイッチ」活動としては117件目の取り組み
この協定の内容は、海津市が『電気自動車(EV)の普及を通じて、地域課題解決や環境負荷の低減に取り組むとともに、地震災害等による大規模停電が発生した際に、市が指定する避難所等において、日産の販売会社である岐阜日産自動車より貸与される電気自動車「日産リーフ」を電力源として活用することで、避難所の円滑な運営を行い、市民の安全確保に努める』というもの。
海津市では過去の大規模災害を教訓に、地域防災力の向上を目指している。さらに、豊かな自然環境を守り、環境にやさしいまちづくりを推進するため、学校や福祉総合施設への太陽光発電システム導入や、風力発電と太陽光発電による電力を蓄電し点灯するハイブリッド街路灯、電気自動車用急速充電器などを積極的に導入している。一方、SDGsの推進にも積極的で、自然、観光などをはじめとする各種取り組みを、SDGsの各ゴールに結び付けた施策を実施している。
一方、日産自動車は、日本が抱える環境負荷低減や災害対策等の課題を解決するため、2018年5月に日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」を発表し、その活動を牽引するリーダーとして、全国の自治体や企業と協力して、電気自動車普及を通じた社会の変革に積極的に取り組んでいる。また「ブルー・スイッチ」活動の推進を通じて、温暖化対策、防災・減災、エネルギーマネジメント、観光、過疎化などの地域課題の解決に取り組み、SDGsの達成に貢献している。
この日産自動車が推進する「ブルー・スイッチ」活動、そして、海津市が推進する環境・防災対策やSDGsの推進と、双方の取り組みに互いが賛同し、このたび同協定の締結を行う運びとなった。電気自動車を活用した「災害連携協定」の概要は以下のとおり。
【協定の概要】
・海津市で災害を起因とする停電が発生した際、市が指定する避難所に、岐阜日産自動車の店舗に配備している電気自動車「日産リーフ」を無償で貸与する。
・海津市、日産自動車、岐阜日産自動車の協力により電気自動車からの給電を行うことで、災害時においても継続して電力が供給できる体制を整え、避難所の円滑な運営を図り、市民の生命および身体の安全を守る。
・海津市および日産自動車、岐阜日産自動車は、平常時も電気自動車の普及促進を行うほか、市のイベントで使用する電力を電気自動車から供給することで、『電気自動車は「走る蓄電池」』としての活用を市民へ積極的にアピールし、環境・防災意識向上を目指す。
海津市では、すでに公用車として「日産リーフe+」を導入しているほか、EVから電気を取り出す可搬型給電器を導入するなど、EV普及に向けた取り組みを推進している。また、太陽光パネル設置済の海津総合福祉会館「ひまわり」へ、電気自動車の電力を建物の電力として活用できる電力変換装置V2H(Vehicle to Home)を新たに設置しており、今後もさらなるEV普及・促進の取り組みを推進し、環境・防災力向上に努めていく。
日産自動車は、人々の生活を豊かに、を目的に「ニッサン インテリジェント モビリティ」を推進し、独自性にあふれ、革新的なクルマやサービスを届けるとともに、「ゼロ・エミッション(排出ガスゼロ)」「ゼロ・フェイタリティ(交通事故による死亡・重傷者数ゼロ)」に取り組んでいる。また、政府の推進する「2050年までに、温室効果ガスの排出をゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現」に寄与すべく、2030年代早期より、主要市場で投入する新型車をすべて電気自動車などの電動車両とすることを目指し、電動化と生産技術革新を推進しながら、新たな目標に向けて取り組んでいる。そして「ブルー・スイッチ」の推進に加え、電気自動車(EV)というクルマの販売にとどまらず、EVがもたらす豊かな生活の実現、そしてEVが成し得る社会変革のために、EVの生み出す新たな価値を世界に発信し続け、よりよい社会づくりへの貢献を目指している。
今回の「災害連携協定」も、日産の「ブルー・スイッチ」活動に基づくものであり、日産自動車が締結した自治体・企業との災害連携協定としては、今回の締結が全国で88件目となる。また、EVを活用したエネルギーマネジメントや観光などを含む「ブルー・スイッチ」活動としては117件目の取り組みだ。
海津市と日産自動車はこの協定締結を機に、今後も環境および防災対策を強化し、電気自動車を活用した、環境に優しく、災害に強いまちづくりを推進していく。そして電気自動車の普及を通じた地域課題の解決、脱炭素化社会実現、SDGs達成に向けて、さらに連携を強化していく。