年間200台の車に接するという萩原文博さんが選んだ「運転が楽しいクルマ」の第1位は、ニスモが2004年にリリースしたコンプリートカー「ニスモ R34GT-R Z-tune」。レース車両同様のハンドメイドだからこそ実現した、究極のドライビングプレジャーが凝縮された1台だ。



TEXT●萩原文博(HAGIWARA Fumihiro)

クルマに乗っていて「運転が楽しい」と感じるポイントは人それぞれでしょう。私が運転していて楽しいと思うポイントは「体に馴染む」ことだと最近になって気づきました。これは音楽と同じように、運転が楽しいクルマというのは自分のリズムに合っていて、違和感を感じずに操ることだと思いました。



いくらハイパワーなエンジンを搭載して速いクルマでも自分のフィーリングに合わなければ運転していても「ただ速いな」と思うだけで、楽しいとは思えないと思います。そこで、今回は自分の感覚にフィットして運転が楽しいと思った3台をピックアップしました。

第3位:マツダRX-7 タイプRZ「調教されたサラブレッドのごとし」

まず第3位は、ロータリーターボエンジンを搭載したマツダRX-7の中でも、2000年10月に販売された175台の限定販売されたタイプRZです。



幸運にも、RX-7は1型~6型のすべてに乗ることができましたが、その中でも最高に運転が楽しかったのが6型のタイプRZでした。2シーター仕様、車両重量10kgの軽量化、レカロ社製フルバケットシート、BBS社製ホイールというメニューだけでも納得ですが、とにかくリアタイヤのコントロール性が抜群で、箱根の連続したタイトなコーナーもカウンターを当てながら曲がることができてしまうのです。初期のRX-7はじゃじゃ馬でしたが、後期型は調教されたサラブレッドのようにコントロールできたのです。



最終モデルのスピリットRの中古車は見つかりますが、このRZの中古車は見かけたことがありません。それほどレアな存在です。

マツダRX-7 タイプRZ

マツダRX-7 タイプRZ

マツダRX-7 タイプRZ

第2位:日産マーチ ボレロA30「約350万円の価格がバーゲンに感じられた」

続いて、第2位はオーテックジャパンが限定30台で販売した日産マーチ ボレロA30です。



全幅1810mmにワイド化した車両重量1030kgのボディに、昭和のチューニングを彷彿させるバランス取りなどのメカニカルチューンを施し最高出力150psにパワーアップした、1.6L直列4気筒自然吸気エンジンを搭載したワークスチューニングカー。



コンセプトが「笑顔になれるクルマ」ですが、撮影で借りて箱根ターンパイクを走ったときの気持ち良さと一体感は、いま思い出しても笑みがこぼれてしまいます。最高出力150psというと数値的には高くないかもしれませんが、アクセルを全開にしてこのパワーを使い切るシャシーとサスペンションのバランス良さは楽しすぎて、運転しながら笑っていました。



価格は356万4000円とマーチとしては高額ですが、400万円オーバーのハイパワーコンパクトカーも存在する現在ではむしろボーナスプライスだったのではと考えてしまいます。手に入れることができた30人の方がうらやましいです。

日産マーチ ボレロA30

第1位:ニスモR34GT-R Z-tune「500psを自分の思う通りに操れる快感」

そして第1位ですが、非常に悩みました。2020年モデルの日産GT-Rや現行型ルノー・メガーヌR.S.など運転が楽しいクルマにたくさん出会っているからです。



しかし悩んだ末に第1位としたのは「世界最強のロードゴーイングカー」というコンセプトで20台限定販売された、ニスモR34 GT-R Z-tuneです。



このモデルは条件をクリアした中古車のR34型スカイラインGT-R V-specをベースにニスモが一から作り直したコンプリートカーで、エンジンは2.8Lにボアアップし、最高出力500ps以上、最大トルク540Nm以上というハイスペックを実現。サスペンションをはじめ、シャシーなどすべてに手が加えられているモデルです。



一度しか乗ったことはありませんが、チューニングカーらしい神経質さもなく、500ps以上というハイパワーにも関わらず、自分の思うとおりに走らせることができるまさに「史上最高に運転が楽しいクルマ」でした。



世界限定20台、価格1774万5000円というプラチナモデルに一度でもコンタクトできたことは本当に幸せな瞬間でした。

ニスモR34GT-R Z-tune

『運転が楽しいクルマ・ベスト3』は毎日更新です!



クルマ好きにとって、クルマ選びの際に大きな基準となるのは、

「運転が楽しいかどうか」ではないでしょうか。



とはいえ、何をもって運転が楽しいと思うかは、人それぞれ。「とにかく速い」「速くないけど、エンジンが気持ち良い」「足周りが絶品」などなど、運転を楽しく感じさせる要素は様々です。



本企画では、自動車評論家・業界関係者の方々に、これまで試乗したクルマの中から「運転が楽しかった!」と思うクルマのベスト3を挙げてもらいます。



どんなクルマが楽しかったか。なぜ楽しいと感じたのか。それぞれの見解をご堪能ください。



明日の更新もお楽しみに!

情報提供元:MotorFan
記事名:「 【運転が楽しいクルマ|ニスモ R34GT-R Z-tune】世界最強のロードゴーイングカーは楽しさも史上最高だった!(萩原文博)