
日本人として初めて米野球殿堂入りしたイチロー氏(51)が27日(日本時間28日)、ニューヨーク州クーパーズタウンで行われたセレモニーで英語スピーチを行った。
スピーチでは妻の弓子さんへの感謝と引退後の夫婦秘話、メジャーへの扉を開いた野茂英雄氏への思い、プロとしての心構えなどを19分間にわたって語った。イチロー氏らしいジョークも交えながら、所属したマリナーズ、ヤンキース、マーリンズ各球団の関係者、選手や家族らに感謝の言葉を残した。
【イチロー氏のスピーチ<6>】
「この栄光を通して、私と契約してくれたパット・ギリックGMと再会できたこともうれしいです。パット、当時のオーナーや球団関係者の皆さま、本当にありがとうございました。そしてヒロシ・ヤマウチ、ハワード・リンカーン、チャック・アームストロング、シアトル・マリナーズの皆さん。現在の経営陣、ジョン・スタントン、ジェリー・ディポート、ケビン・マルティネス、私を再び『居場所』に連れ戻してくれて、シアトルを永遠の故郷にしてくれたことに感謝します。エドガー、ジュニア、ランディと『新しいチームメート』になれることは、大きな誇りです。今日は来てくれてありがとうございます。ニューヨーク・ヤンキースの皆さま、来てくれてありがとうございます。正直、皆さんは今日、C.C.(サバシア)のために来ていることは分かっています。でも、それでもちろんオッケーです。彼は皆さんの愛を受けるのにふさわしいですから。ピンストライプのユニホームを着た2年半、本当に楽しかったです。デレク・ジーターの素晴らしいリーダー・シップ、誇り高いヤンキースの文化を経験させてくれて、本当にありがとうございます。マイアミ・マーリンズの皆さま、ありがとうございます。デビット・サンプソン、マイク・ヒル、今日は来てくれてありがとうございます。正直、2015年に契約の話を頂いたとき、あなたたちのチームのことは聞いた事がなかった。
でもサウスフロリダでの時間は、だんだん好きになっていきました。あの若くて才能あふれるチームメートたちとプレーして、40歳半ばでも選手として成長できたと感じています。コロラドで3000安打を達成して、ダグアウトからみんなが飛び出して一緒に喜んでくれた姿は、絶対に忘れません。彼らの喜びは、本当に心からのものでした。彼らと一緒に、マーリンズの一員として3000安打を達成できたことに感謝しています。そして、私にとってビジネスを超えた存在だった代理人の皆さま、残念ながらトニー・アナスタシオは、この瞬間を見る前に亡くなってしまいました。アメリカに来るきっかけと、ワインの楽しみ方を教えてくれてありがとうございました。42歳でもプレーできると信じてくれて、私のキャリアに情熱を注いでくれたジョン・ボッグス、通訳のアラン・ターナーとそのご家族の皆さま、どこでプレーをする決断をしても支えてくれて、ありがとうございました。野球殿堂スタッフの皆さまにも感謝します。そして(元米野球殿堂博物館長の)ジェフ・アイドルソン、あなたがいなければ、この素晴らしい野球殿堂を心から理解できなかったでしょう」