12月15日、日産自動車は2019年度に実施した「第36回 日産 童話と絵本のグランプリ」[(一財)大阪国際児童文学振興財団主催]で大賞を受賞した、山本泉さんの童話『なすびは何色?』と、いわさき さとこさんの絵本『くつやさんとおばけ』を、同日、BL出版株式会社より出版したことを発表した。
日本全国の図書館約3500館と、同社の事業所近隣の保育園・幼稚園など約800園に寄贈
山本泉さんの童話『なすびは何色?』は、童話部門で2044編の応募作品の中から、いわさき さとこさんの絵本『くつやさんとおばけ』は、絵本部門の358編の応募作品の中から、それぞれの部門の大賞に選ばれた。また、今回の出版にあたり『なすびは何色?』には、同グランプリ第10回絵本部門の優秀賞を受賞した、山田真奈未さんの挿絵が使用された。
日産自動車は、社会貢献活動の一環として、アマチュア作家を対象とした創作童話と絵本のコンテストである同グランプリに第1回(1984年)から協賛。才能ある新進作家の育成をサポートするとともに、子どもたちに良書を届けることを目的とし、36年間で67作品を出版した。
同社は、出版した作品を全国の公立図書館等に寄贈しており、今回も日本国内の図書館約3500館と、同社の事業所近隣の保育園・幼稚園など約800園に寄贈する予定。また、海外においては、同社の海外事業拠点周辺の日本人学校や日本語補習校に同作品を寄贈している。第1回から寄贈した本は、累計で25万冊以上にのぼる。
なお、今年度の「第37回 日産 童話と絵本のグランプリ」作品募集は、10月31日をもって終了。入賞作品の発表は、2021年3月初旬に予定されている。
●『なすびは何色?』
しゃっくりが止まらなくなってしまった「ぼく」を、転校生「岸田さん」が助けてくれるところから始まる物語。「ぼく」と「岸田さん」の絶妙な距離感を短い会話のつながりでうまく表現しており、身近にある色を巧みに登場させることで、色彩豊かな独特の世界観を作り出している。
・作者:山本 泉
(岐阜県在住。「創作コンクールつばさ賞」佳作入選、「日産 童話と絵本のグランプリ」では過去5回にわたり佳作入選)
・絵の作者:山田 真奈未
(埼玉県在住。グラフィックデザイナーを経て、絵本作家、造形作家となる。第10回 日産 童話と絵本のグランプリ優秀賞受賞、2009年ボローニャ国際絵本原画展入選等、受賞歴多数)
・価格:1300円(税別)
●『くつやさんとおばけ』
さびれた通りにあるくつ屋に、おばけたちが次から次へと現れては、悩みを解決してもらうというお話。昔話でお馴染みのおばけたちが、大胆かつユーモラスに表現されており、子どもも大人も楽しめる作品に仕上がっている。
・作者:いわさき さとこ
(東京都在住。東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業。同大学院美術研究科油画専攻修了。卒業後は商業デザイナーとして約10年間会社勤務したのち、フリーランスとなる。2020年第2回ビルボ絵本大賞で優秀賞受賞)
・価格:1300円(税別)