何回かに分けて紹介している11月14日に開催された北本市でのクラシックカーフェスティバル。最後となる今回は会場内で見つけたホンダ車とマツダ車をクローズアップしてみたい。どちらもスポーツ色が強い車種の参加が多く、会場内でも人気の展示になっていた。
TEXT&PHOTO◎増田 満(MASUDA Mitsuru)
近年では町おこしの一環として、地方都市でのイベントが増えている。こうしたイベントでは国産旧車たちを展示する催しが有効で、来場者たちから熱い視線を向けられることが多い。地域発展に貢献するというのが、古いクルマの価値に含まれるようになったのだ。
ここで紹介している北本市のクラシックカーフェスティバルも、本来なら地元の「きくまつり」と併催して、より多くの来場者を見込んでいた。今年は新型コロナウイルスの猛威により「きくまつり」は中止になってしまったが、クラシックカーフェスティバルだけは厳重な対策を実施して開催することに成功した。今回は参加車のなかからホンダ車とマツダ車を紹介していこう。
ホンダS600からマツダ・サバンナRX-7までスポーツカーが充実!
ホンダ車はこの日、4台だけの参加にとどまった。そこで4台ともに紹介していこう。
まず紹介するのはSシリーズだ。ホンダは1963年に商用車のT360とオープン2シーターのS500で4輪車メーカーに名乗りを上げている。どちらもDOHCエンジンを搭載することで他メーカーとの差別化が図られていた。乗用車のS500は翌年に排気量を拡大したS600へと進化して、1966年には最終型のS800になる。今回参加していたのはS600が2台で赤いクルマはアメリカ仕様の逆輸入車だ。
ホンダの倍になる8台が参加したマツダ車を見ていこう。まず紹介したいのは、非常に数少なく残存していたのが奇跡と言ってもいいマツダT600衛生車だ。
マツダの2台目は量産市販車として世界初のロータリーエンジンを搭載したコスモスポーツ。1967年に発売が開始され、1968年にマイナーチェンジして後期型へ移行する。写真は1970年式で後期型の特徴である大きなラジエターグリルを採用したモデルだ。
続いてはロータリーエンジンを搭載するスポーツカー、サバンナRX-7だ。初代は1978年に発売開始されたSA22C型で、会場には2台が参加していた。白い前期型はフェンダーミラーをドアミラーに変更してあるが、現オーナーが42年も維持し続けている。赤い後期型は最終のターボモデルで1985年のフルモデルチェンジまで生産された。
サバンナRX-7は1985年に2代目のFC3S型へフルモデルチェンジしている。このFCは3台が参加していたが、いずれも同じ型ではない。白いモデルは1985年の前期型でサイドモールが黒いことが特徴。なんと35年間新車1オーナーだとか。そして赤いモデルが後期型で、サイドモールやドアミラーがボディ同色になり、テールランプが丸型へ変更されていた。
続けてお送りした北本市で開催されたクラシックカーフェスティバルの模様だが、来年は新型ウイルスが収束して通常通りに開催されていることを祈るばかりだ。
クラシックカーフェスティバル
・開催日:2020年11月14日
・開催場所:埼玉県・北本総合公園内野球場ヒートベアーズ北本スタジアム
・主催:北本市都市公園指定管理者/協力:日本旧軽車会