菰田潔さんが選ぶおすすめSUVは、予算300万円までならマツダCX-3のガソリン・4WDモデル、予算600万円までならMINI クロスオーバーのPHEV、そして予選無制限ならBMWアルピナXD3。特にCX-3はマツダがこだわっているドライビングポジションも秀逸で、長時間走行でも疲れにくいのがうれしいという。
TEXT●菰田潔(KOMODA Kiyoshi)
予算300万円までなら「マツダCX-3 20S プロアクティブ Sパッケージ・4WD」
全高1550mmで立体駐車場にも入るコンパクトサイズのSUVで、キビキビ走るシティランナーとしても楽しく走れる。スカイアクティブG2.0は燃費、排ガス、そしてトルクとパワーを兼ね備えたNA(ノーマルアスピレーション)の最新エンジンで、レギュラーガソリンで走れるから経済性にも優れている。
マツダは早くからドライビングポジションにこだわって、コンパクトカーでも誤操作の可能性を少なくしたペダルレイアウトになっている。つまりドライバーの正面にブレーキペダルがあり、アクセルペダルの位置は右に寄せてある。さらにアクセルペダルは床から生えているオルガンタイプで、誤操作防止だけでなく長距離ドライブでも疲れが少ないデザインになっているところが良い。
予算600万円までなら「MINI クロスオーバー クーパーS E ALL4」
ミニという名前ではあるがクロスオーバーは実は結構大きい。1台だけで見ているとそう大きくは見えないが、街中でタクシーと並んだシーンではその大きさが明確になる。
選んだのはクーパーS E ALL4、これは前輪はガソリンエンジンで駆動し、後輪は電気モーターで駆動するPHEVなのだ。1.5L3気筒ガソリンターボエンジンと電気モーターの役割分担が非常にうまい。電気モーターだけだと後輪駆動になるわけで、コーナリングから立ち上がるときに早めにアクセルペダルを踏み込むと電気モーターが先に反応してアンダーステアが出ずに加速できるという技を持っている。
電気モーターだけで走れば40-50km走れるし、いざアクセルペダルを床まで踏み込めばシステムトータル出力165kW(224ps)、トルクは385Nmだから力強い加速もできる頼もしいやつだ。
予算が無制限なら「BMWアルピナ XD3」
これほど乗り心地が良いSUVはXD3以外で体験したことがない。しなやかにたっぷりとストロークするサスペンションは乗り心地が極上なだけでなく、ハンドリング性能も素晴らしい。背の高いSUVでは難しい乗り心地とハンドリングの両立を実現している。
これは主にアルピナ社の手による電子制御サスペンションのプログラムによるものだが、タイヤ、ホイールなど1スペックで製造しているから、乗り心地とハンドリングを市街地/高速道路/ワインディングロードなどすべて道で満足できるようにセッティングが可能なのだ。これもアルピナ社全体で年間1700台しか造らない少量生産だからできること。この上質なSUVに乗ってしまうと他には移れなくなる魅力を秘めている。
『予算別ベストSUV・3選』は毎日更新です!
ますます人気が盛り上がっているカテゴリー、SUV。自動車メーカーも開発に力を入れており、ラインアップが充実しているのはうれしいのだが、どれを選べばいいのか迷ってしまいがち。
そんな迷えるSUVオーナー予備軍のために、「予算300万円まで」「予算600万円まで」「予算無制限」といった具合に予算別のベストSUVを紹介。毎日、自動車評論家・業界関係者に3台選んでいただくので、明日の更新もお楽しみに。
※今回の企画では、最も安いグレードの価格が300万円以下のSUVは「予算300万円まで」、同じく最廉価グレードが600万円以下なら「予算600万円まで」に分類しています。