starthome-logo 無料ゲーム
starthome-logo

グラフ化すると見えてくる |日本で売れている輸入車の13.3台に1台は1000万円オーバーの超高級車


日本自動車輸入組合(JAIA)のホームページには各種の統計データが公表されている。今回はそのなかで「車両本体価格別輸入乗用車新規登録台数の推移」のデータを分析してみよう。そこから見えてきたものは?(データ:JAIA)

JAIAのホームページの「統計情報」には、興味深いデータが公表されている。そのなかに「車両本体価格別輸入乗用車新規登録台数の推移」というデータがある。これをグラフ化してみた。

・分析対象は外国メーカー輸入情報社新規登録車のみ ・価格帯表示の価格は、東京地区車両本体価格を使用(原則として毎年12月末現在) ・価格帯分析は、同一型式に複数のモデルが設定されている場合は、そのうちの代表的なモデルの価格、またはそれらの最低価格を採用 ・国土交通省の認証型式を有していない車両は、車両本体価格が判定できないため「不明」と分類

一見してわかるのは、「200〜299万円」と「〜199万円」の価格帯のシェアが下がっていることだ。




それでも2010年に「〜399万円」が45.5%となっていることがわかる。その理由は次のグラフを見れば一目瞭然だ。



2009年のリーマンショックは輸入車全体にも大きな影響を及ぼした。結果を見れば2008年〜2011年(この年は東日本大震災があった)が輸入車全体の停滞時期となった。これは奇しくも民主党政権時期(2009年9月〜2012年11月)と重なる。




日経平均株価のバブル後最安値は2009年3月10日(7054円98銭)だった。リーマンショック/民主党政権/株価低迷が重なった時期は輸入車の販売台数も低迷し、価格帯も低価格帯へ移行したということだ。

今度は、グラフを単純化してみよう。


茶色:〜399万円


黄色:400〜799万円


緑色:800〜999万円


黒色:1000万円〜

〜399万円の輸入車の代表格VWゴルフ

一見してわかるのは、「〜399万円」のシェアが大きく下がっていることだ。


■〜399万円


2003年:60.3%


2019年:37.9%




■400〜799万円


2003年:28.3%


2019年:44.8%




■800~999万円


2003年:3.8%


2019年:4.7%




■1000万円〜


2003年:4.0%


2019年:7.5%




となっている。


この16年間で、シェアを大きく落としたのは、VWゴルフ、メルセデス・ベンツA/Bクラス、アウディA3、プジョー308、BMW1シリーズ、BMW MINIなどが属している価格帯で、それに対してメルセデス・ベンツCクラス、BMW3シリーズ、アウディA4などの400〜799万円の価格帯のシェアが大きく伸びている。これには、セダン/HBよりもやや高価格帯になるSUV人気も影響しているのかもしれない。

超高級車の代名詞、ロールスロイスのゴーストⅡ EWVの価格は4118万円!

注目してほしいのは、800〜999万円(メルセデス・ベンツEクラスの価格帯か)よりも1000万円オーバーの高級車の伸びだ。さらにいうと、1000〜1999万円の価格帯よりも2000万円オーバーの、一般消費者からすると「超高級車」のシェアが12倍(0.1%→1.2%)になっていることである。

気になって、スタート価格が1000万円を超えるであろうブランドの販売台数の推移もグラフ化した。こちらはデータを21世紀に入ってからとした。


アストンマーティン/ベントレー/フェラーリ/ランボルギーニ/マセラティ/ロースルロイス/ポルシェのデータである。


ポルシェは販売台数が他ブランドより多いので別グラフとした。

いずれのブランドも大きく販売台数を伸ばしている。




伸び率をグラフ化してみた。

2001年の販売台数を100%としたとき、輸入車全体としては2019年は121.5%となっている。これをベースにグラフを見ていくと、超高級車の販売台数は「驚異的に」拡大しているということがわかる。一見するとフェラーリの伸び率が低いように見えるが、それでも約1.9倍になっている。






ではこの間、我々の所得水準はどうなっているか?


さまざまなデータがあるのが、ここでは厚生労働省の国民生活基礎調査の数字を引用する。




厚生労働省の国民生活基礎調査によると


1世帯当たりの平均所得(全世帯)


2001年602.0万円


2018年552.3万円


2018年の所得は2001年の91.7%なのだ!




これはつまり、超高級車を購入する富裕層はさらにリッチに、中間層以下の所得は目減りしている、いわゆる「格差」が拡大していることの表れ、ともとれるデータとなる。


超高級車も売れる経済状況は歓迎だ。しかし、超高級車だけが販売台数が伸びる(ミドルクラスが痩せ細った状態)状況は、やはり気になるところである。





    Loading...
    アクセスランキング
    game_banner
    Starthome

    StartHomeカテゴリー

    Copyright 2024
    ©KINGSOFT JAPAN INC. ALL RIGHTS RESERVED.