これまでの人生において、所有したり試乗したりした輸入車のなかからベスト3を業界人に選んでいただく本企画。萩原文博さんは、20代〜30代前半に試乗したクルマからチョイスしてくれたが、ベスト1は高校生の時から憧れていたアルピナ。念願かなってハンドルを握ることができた際は、期待を裏切らない最高の乗り味に感動したという。
TEXT●萩原文博(HAGIWARA Fumihiro)
第3位:フォルクスワーゲン・ルポ
試乗したクルマ、所有したクルマのなかから、輸入車の人生最高のクルマ・ベスト3を選ぶ。非常に悩みました。
最近試乗したマセラティ・レヴァンテ トロフェオ、マクラーレンGT、BMW M8グランクーペ コンペティションなど印象深いクルマが多いからです。しかし、今回はあえて自分が20代〜30代前半の頃に乗って最高!と思った輸入車に絞りました。
まず第3位はフォルクスワーゲン・ルポです。車両本体価格159万9000円のルポ コンフォートパッケージを購入しました。
このルポはR32型スカイラインGT-Rを手放した後に購入したクルマです。自分のなかではR32型スカイラインGT-Rは国産車の頂点だったので、輸入車のエントリーモデルをあえて購入しました。
しかし、自分の想像以上の走行性能の高さに驚きました。軽自動車並みのボディサイズと価格ながら、コーナリング性能は抜群で、運転する楽しさを再認識させてくれたモデルなので、第3位としました。
第2位:フェラーリF355
第2位はフェラーリF355です。もちろん仕事でステアリングを握ったのですが、自分にとって初の跳ね馬だったからです。
HパターンのMT車でしたが、想像以上に運転しやすかったとはいえ、フェラーリをエンストすることなく動かすことができ、最高の気分に浸れました。ミッドシップに搭載されている3.5LV8自然吸気エンジンはトルクも太く、ホンダNSXタイプRよりも運転しやすいことに驚きました。さらに回転数を上げた時の官能的なエキゾーストノートを楽しみながらのドライブは最高の時間だったので、第2位としました。
第1位:BMWアルピナB8 4.6
そして第1位はアルピナB8です。
E36型のBMW3シリーズをベースとしたアルピナにはB3にも乗りましたし、3シリーズのボディに4.6L V8エンジンを搭載したB8にも試乗することができました。はっきり言ってどちらでも良いです。自分にとってアルピナが人生最高のクルマだからです。高校生の時からクルマに興味をもち、基本的には国産車でしたが、輸入車で唯一好きになったのがB9クーペでした。滅多に本を読まないにもかかわらずアルピナの本は読みあさり、究極のチューンドカーとしていつかは乗りたいと思っていたのです。
運良く仕事でアルピナに乗ることになりましたが、当時、クルマを借りる時に扱い方のレクチャーをしていただいたことは今でも覚えています。乗り味はまさに調教されたサラブレッドのようで、抜群でした。
時が流れて最近になって再びアルピナに乗る機会を得ましたが、やはりサラブレッドのような乗り味は変わっていませんでした。自分にとって憧れ続けたアルピナが人生最高の輸入車・第1位です。