中古車は世代が古く低年式なモデルほどお買い得かと言えばさにあらず。生産終了から年月が経つにつれ残存台数が減り、希少価値が上がることで相場が高騰することは珍しくない。



また本体価格が安かったとしても程度の良い個体が少ない、あるいは部品代が高いどころか一部の重要保安部品が生産終了していて入手困難なため維持そのものが困難、というケースも多々見られる。



そこで狙い目なのが、流通台数が多く故障や部品の心配も少ない、また燃費を含めた動力性能や安全性能の面でも大きく見劣りしないためコストパフォーマンス抜群な、現在新車販売されている世代よりも一つ前のモデルだ。



今回は、2017年9月に発売された現行モデルが四代目にあたる、スズキのBセグメントホットハッチ「スイフトスポーツ」の三代目をご紹介しよう。



TEXT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu) PHOTO●スズキ

2003年デビューの初代(HT81S型)スズキ・スイフトスポーツ

 2003年デビューの初代(HT81S型)以来、スイフトスポーツは社会人になったばかりの若者でも手が届く安価なホットハッチであり続けている。

2005年デビューの二代目(ZC31S型)スズキ・スイフトスポーツ

 だが、ワゴンRプラスのプラットフォームにKeiの一部外板を組み合わせた初代に対し、2005年に誕生した二代目(ZC31S型)は、ベース車と同様に新開発のコンパクトカー専用プラットフォームを採用。内外装と走りの質感を劇的に向上させた。また専用チューニングのエンジンも、初代のM15A型1.5L直列4気筒DOHC自然吸気(NA)から、同じく1.6LのM16A型へと排気量アップしている。

2011年9月、フランクフルトモーターショーで世界初公開された三代目スズキ・スイフトスポーツ欧州仕様3ドア

 そして、ベース車のフルモデルチェンジより約1年後となる2011年9月、フランクフルトモーターショーで三代目のスイフトスポーツの欧州仕様3ドアが世界初公開。同年11月28日に日本仕様5ドア(ZC32S型)が正式発表された。

三代目スズキ・スイフトスポーツ((ZC32S型、2011年11月発表モデル)

 この三代目では、ベース車のプラットフォームが再び一新されたことに伴い、ホイールベースが40mm、トレッドが前10mm/後5mm拡大され、操縦安定性の向上が図られるとともに、ボディに高張力鋼板が多用されたことで車重が約10kg軽量化されている。



 スイフトスポーツではさらに、フロントサスペンションのストラットを大径化しつつリバウンドスプリングを内蔵し、リヤのトーションビーム式サスペンションも専用設計。ステアリングギヤボックスとサスペンションフレームの取り付け剛性もアップした。なおダンパーは、二代目に引き続きモンロー製だ。



 さらにタイヤサイズを、二代目の195/50R16から195/45R17に変更。これに合わせて前後に大径ディスクを採用しつつフロントの厚みを増し、ブースターを変更するなど、ブレーキを全面的に強化している。

136ps&160Nmを発する三代目スイフトスポーツのM16A型エンジン

 エンジンは二代目に続きNAのM16A型だが、可変吸気システムの採用、吸気VVT制御の変更、バルブリフト量の増加、冷却システムの改善など、細部にわたり改良を施すことで、従来より11ps&12Nm高い136ps/6900rpm&160Nm/4400rpmへと性能アップ。

三代目スイフトスポーツで新たに採用された6速MT

 そしてトランスミッションが、従来の5速MTまたは4速ATから、2~5速をクロスレシオ化した6速MTと、7速マニュアルモードを持つジヤトコ製の副変速機付きCVTに変更された。

三代目スイフトスポーツのリヤまわり

 エクステリアのベース車に対する変更点は二代目と同様で、グリル開口部が拡大されフォグランプまわりが専用デザインとされたフロントマスクが特に目を引く。またルーフエンドスポイラーやデュアルエキゾーストパイプを踏襲する一方、サイドスポイラーはボディ同色となっている。

赤色のステッチや専用5眼メーター、ステンレス製ペダルプレートでさりげなくスポーティさを演出した運転席まわり

専用のフロントシートを含め、室内は全体的に落ち着いた雰囲気となった

 むしろ大きく変わったのはインテリアだろう。二代目は黒と赤の2トーンを基本としていたが、三代目は黒とグレーの2トーンに赤のステッチが入る落ち着いた雰囲気に。前席には専用形状のシートが全車標準装備される一方、二代目にオプション設定されていたレカロ製セミバケットシートが廃止された。



 こうして走り・内外装とも大幅に洗練された三代目スイフトスポーツは、スイフト自体が四代目となった2016年12月まで販売されたが、その間に内外装やメカニズムなどが大きく変更されることはなく、特別仕様車が設定されることもなく、そのまま販売終了。約9ヵ月のブランクを経て2017年9月に、K14C型1.4Lターボエンジンを搭載する四代目へとバトンタッチした。

■スズキ・スイフトスポーツ(FF)*2011年11月発表モデル

全長×全幅×全高:3890×1695×1510mm

ホイールベース:2430mm

車両重量:1050kg

エンジン形式:直列4気筒DOHC

総排気量:1586cc

最高出力:100kW(136ps)/6900rpm

最大トルク:160Nm/4400rpm

トランスミッション:6速MT

サスペンション形式 前/後:マクファーソンストラット/トーションビーム

ブレーキ 前/後:ベンチレーテッドディスク/ディスク

タイヤサイズ 前後:195/45R17

乗車定員:5名

車両価格(当時):168万円
三代目スズキ・スイフトスポーツ(2011年11月発表モデル)

情報提供元:MotorFan
記事名:「 トランスミッションは6速MTor7速マニュアルモード付きCVTに。レカロシートの設定はなし