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2020年9月10(木)に発売予定の250cc水冷4気筒モデル「カワサキNinja ZX-25R」。世界が注目する4ストマルチモデルの国内仕様(日本版)の詳細が明らかになった。新設計のエンジンやフレーム、強靭な足周り、最新の電子システムなどが盛り込まれた「カワサキNinja ZX-25R」を徹底解剖。
REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)
コンセプトは、スクリーミング・ インラインフォー・パワー
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2008年、「Ninja 250R」が切り拓いた250ccフルカウルスポーツクラスは、現在2気筒エンジンが主流。2020年、カワサキはこのクラスに、並列4気筒エンジンを搭載した新型250ccスーパースポーツモデル「Ninja ZX-25R」を投入した。
Ninja ZXシリーズを名乗るにふさわしい、サーキット走行性能の高さに加え、街乗りでの快適性を併せ持ったNinja ZX-25Rは、250ccクラスの高性能な並列4気筒エンジン搭載マシンを待ち望んでいたライダーにとって、最適な選択肢といえよう。
45馬力、ラム加圧ありで46馬力を誇る完全新設計の並列4気筒エンジンは、高回転域のパワーとトルクフルな低中回転域を両立。入念なサウンドチューニングが施された、17,000rpm以上の高回転域を実現するスクリーミング・サウンドが、高性能な4気筒エンジンを搭載したマシンであることを強烈にアピール。
フレームは、並列4気筒エンジンのパフォーマンスを最大限に引き出す、新設計の高張力鋼製トレリス型。スーパーバイク世界選手権参戦マシンのシャーシデザインを250ccクラスにフィードバックしている。
クラス初装備であるSFF-BPフロントサスペンション、ホリゾンタルバックリンクリヤサスペンションなどに加え、高性能な装備を多数搭載。サーキットでのスーパースポーツハンドリングはもちろん、街乗りでの扱いやすさも獲得しているのがポイントだ。
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Ninja ZXシリーズ共通スタイリングの採用をはじめ、LED灯火類、ハイクラスなインストゥルメントパネル、高品質な各部の仕上げなどにより、見る者の羨望を掻き立てるNinja ZX-25R。上級モデルに装備されているKTRC(カワサキトラクションコントロール)と、アップ/ダウン両対応のKQS(カワサキクイックシフター)を採用(※KQSはSEモデル標準装備。スタンダードモデルにはアクセサリーとして用意)。
Ninja ZX-25Rオーナーがマシンとの一体感を感じる最大のポイントは、スロットルを開けたときに訪れる。コーナー間を加速する時、並列4気筒エンジンの入念にチューニングされた高回転スクリーミングサウンドが体全体を包み込み、エンジン回転数の上昇とともに、ライダーにエキサイトメントを提供してくれる。
並列4気筒の完全新設計エンジン
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Ninja ZX-25Rの爽快なライディングの鍵となる並列4気筒エンジンは、250ccクラスのライバルを凌ぐ33kW(45PS)のパフォーマンスを発揮。この新設計エンジンは、Ninja ZXシリーズからのフィードバックを受けて開発されたもので、クイックでダイレクトなスロットルレスポンスを提供。
さらに街乗りで扱いやすい強力な低中回転域のトルクと、スポーツライディングやサーキット走行をよりエキサイティングなものにする高回転域の鋭いパワーを両立した、フレキシブルなエンジン特性も備えているのがポイントだ。ライダーはスロットルを開けるたびに、伸びのある加速感に加え、コンセプト&アドバンテージを堪能することができる。
250ccクラス唯一(※)となるコンパクトな新型249cc水冷DOHC並列4気筒エンジンは、他のNinja ZXシリーズからのフィードバックを受けて開発され、クラス最高のパワーと、17,000rpmを超える高回転域を獲得。
※カワサキ調べ(2020年3月時点)
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☆エキサイティングなエンジンサウンド
入念にチューニングされたNinja ZX-25Rのインテークサウンドとエキゾーストサウンドが、高性能なカワサキの並列4気筒エンジンを操る爽快感をもたらしてくれる。
☆電子制御スロットルバルブ
インジェクターとスロットルバルブをECUでコントロールすることで、常に最適な混合気をエンジンに供給。これにより、スムーズで自然なエンジンレスポンスの提供に加え、KTRC、パワーモード、KQSなど、ライダーがよりマシンとの一体感を感じることができるライダーサポートシステムの使用を可能としている。
☆センターラムエアシステム
Ninja ZXシリーズのトレードマークである、カウル中央に配意されたラムエアシステムを採用。Ninja H2からのフィードバックを基に設計されたこのシステムは、吸気効率を高め、エンジン性能を向上させている。
☆アシスト&スリッパークラッチ
レースにインスパイアされたクラッチテクノロジーが、バックトルクを制限するとともに、より軽いクラッチレバーの操作を実現。
俊敏なスーパースポーツのハンドリングを獲得
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Ninja ZX-25Rは、街乗りでの扱いやすさが確保されている一方、スポーツライディングやサーキット走行では、優れたスーパースポーツハンドリング性能を発揮。
車体の主要部分には、スーパーバイク世界選手権で得られた設計思想がフィードバックされており、車体の左右バランスにも細心の注意を払っている。
また、ハイグレードなサスペンションとブレーキが、優れたハンドリング性能を実現。結果として、Ninja ZX-25Rにおけるコーナー進入時の特性は、「Ninja ZX-10R」や「NinjaZX-6R」と酷似したものになっており、サーキットにおけるフルバンク状態においても、ライダーは優れたフィードバックと良好な接地感を体感できる。
これらすべてがコーナーリング時の余裕をライダーに与え、他のNinja ZXシリーズと同様に、スポーツライディング時においてライダーが自身の限界を探ることを可能にしている。
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重心位置、スイングアームピボットの位置、エンジン軸の位置、キャスター角など、シャーシの主要寸法は、スーパーバイク世界選手権に参戦しているレースマシン「Ninja ZX-10RR」のシャーシ設計思想にインスパイアされている。
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カワサキ先進の解析技術により生み出された軽量トレリスフレームは、理想的な剛性バランスを達成。Ninja ZX-25Rの俊敏なスーパースポーツハンドリングに寄与している。
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高張力鋼製のロングタイプスイングアームは、湾曲形状とし、必要な剛性と柔軟性を両立。また、ショートタイプのサイレンサーを中心寄りに配置することを可能にしており、マスの集中化とスタイリッシュでスポーティな外観に貢献。
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フロントサスペンションには、ø37mmのSFF-BP(セパレートファンクションフロントフォーク-ビッグピストン)を採用。SHOWA
(ショーワ)のSFFとBPFのコンセプトを組み合わせた、この先進のフロントフォークは、サーキットでのパフォーマンスと日常的な扱いやすさを両立。
リアのホリゾンタルバックリンクリヤサスペンションは、プログレッシブな特性(※)を提供し、スーパースポーツハンドリングに寄与。どちらも250ccクラス初となる装備。
※プログレッシブな特性:負荷に応じ適切な反発力と減衰力を発揮する特性
大径ディスクにラジアルマウント式モノブロックキャリパーを組み合わせたフロントブレーキと、同じく大径ディスクを採用したリアブレーキにより、強力な制動力と優れたブレーキフィールを実現。サーキット走行では、コーナーリングスピードを意のままにコントロールでき、また街乗りでは扱いやすさを向上。
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軽量なダンロップ製「GPR300」ラジアルタイヤを採用。様々なシチュエーションで高いグリップ性能を確保し、俊敏なハンドリングと乗り心地を両立。さらに、150/60R17(Ninja400と同サイズ)のワイドなリアタイヤが、リアビューに堂々とした印象をもたらしている。
コントロール性能と快適性を両立したライディングポジション
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ライディングポジションはNinja250よりもアグレッシブながら、リラックス感もあり、ライダーは街乗りで過度な前傾姿勢を取らされることなく、Ninja ZX-25Rの俊敏なスーパースポーツハンドリングを堪能できる。
ライダーの両足に挟まれるフューエルタンクは、スリムな形状設計とし、マシンとの良好な一体感を実現。しっかりとしたシートクッションは、スポーツライディングやサーキット走行におけるライダーの体重移動のしやすさと、ツーリング時の快適さを両立。
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高いパフォーマンスを反映したアグレッシブなNinjaスタイルを採用することにより、Ninja ZX-25RはNinja ZXシリーズにふさわしい地位を獲得。
また、KTRC、パワーモード、KQSなどの先進のライダーサポート機能により、エキサイティングな並列4気筒エンジンのパフォーマンスをより楽しむことができる。
Ninja ZX-25Rには最新機能を随所に導入
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ロービーム、ハイビーム、ポジションライトを備えたツインLEDヘッドライトを採用。Ninja ZX-25Rにアグレッシブな外観を与えるとともに、高い光量を実現。また、Ninja ZX-10RにインスパイアされたLEDテールライトは、リア周りに洗練された印象をもたらしている。
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Ninja ZX-25Rは、250ccクラス初となるトラクションコントロールを搭載。このカワサキの先進システムは、3つのモードで幅広いライディング条件をカバーし、滑りやすい路面などさまざまな状況において、安定した車体の挙動維持をサポート。スポーツライディングでのパフォーマンスを強化する。
フルパワーモードまたはローパワーモードの選択が可能で、ライダーの好みや条件に合わせた出力特性を設定することができる。並列4気筒エンジンが持つ、本来のパフォーマンスが楽しめるフルパワーモードに対し、 ローパワーモードはエンジン制御を優先。天候や道路状況に最適化された出力特性とスロットルレスポンスを提供してくれる。
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250ccクラス初となるクイックシフターを装備することで、クラッチ操作なしのシフトアップとシフトダウンが可能。スムーズな加速とクイックでイージーな減速を実現し、スポーツライディングをより楽しむことができる。また、市街地での走行では頻繁なクラッチ操作の必要がなくなり、ライダーの快適性も向上。