5月28日、アメリカで新型アキュラTLXが発表された。注目は、10年ぶりに復活を遂げた「タイプS」の存在である。3.0ℓV6ターボエンジンとSH-AWDを筋肉質なボディで包み込んだ、体育会系スポーツセダン。ハイパフォーマンスなスペックを見れば見るほど、そのハンドルを握ることができるアメリカ人が羨ましくなってくる!

「アキュラ史上最速セダン」の謳い文句は伊達じゃない!?

・3.0ℓV6ターボとSH-AWDを搭載した「タイプS」グレード

・全車がターボエンジンを搭載し、トランスミッションは10速AT

・フロントサスペンションはダブルウィッシュボーン式を採用

「35年のアキュラの歴史で最速であり、最高のハンドリングと最も充実した装備を併せ持つセダン」という謳い文句とともに登場した、二代目TLX。日本では未導入のモデルなのでなじみがないかもしれないが、かなり魅力的なスポーツセダンであることが発表資料からはうかがい知れるので、かいつまんでご紹介したい。

アキュラ車のアイデンティティであるダイヤモンドペンタゴングリルを採用。「シケイン」デイタイムランニングライト、新しい4灯のジュエルアイLEDヘッドライトも目を引く

新型TLXのデザインは先代からのキープコンセプトだが、ボディはやや大型化された。ホイールベースを3.7インチ(約94mm)延長、全幅も2.2インチ(約56mm)ほどワイドになった一方で、全高は0.6インチ(約15mm)低められている。

リヤビューでは、強調されたリヤフェンダーがアグレッシブなキャラクターを印象付ける

プラットフォームは、新設計のアキュラセダン専用のものを採用する。NSXを除くと、アキュラ車の中では最高の剛性を誇る。また軽量素材を56%(重量比)採用しているのも、アキュラのセダンの中では最多である。そして、フロントバンパー、ボンネット、フロントフェンダー、フロントダンパーマウントにアルミ素材を採用して軽量化を実現しただけでなく、12Vバッテリーはトランク内に配置するなど重量配分にもこだわっている。

インテリアのテーマは、「デュアル・パーソナル・コックピット」。幅のあるセンタートンネル(ボディの高剛性にも貢献)や、ラップラウンドしたインパネが特徴だ。センターディスプレイのサイズは10.2インチ

中央のスイッチは、「インテグレーテッド・ダイナミクス・システム」。コンフォート、ノーマル、スポーツ、スポーツプラス(タイプSのみ)を切り替えることで、スロットル、トランスミッション、SH-AWD、パワステ、アダプティブダンパーの設定が変更される。
ボディサイズの拡大により、クラストップレベルの室内空間も実現。アドバンスドフロントスポーツシートは16ウェイの電動調整機構付き


また、新型TLXではフロントサスペンションがダブルウィッシュボーン式に変更されたのもトピックだ。さらに、可変ステアリングギヤレシオ、バイワイヤの電動サーボブレーキシステム、アダプティブダンパーシステムなども採用する。

先代TLXではストラットだったフロントサスが新型ではダブルウィッシュボーンとなった

2.0ℓ直4VTECターボと3.0ℓV6直噴ターボを用意

パワートレーンにも注目だ。新型TLXは、2種類のターボエンジンがラインナップする。標準モデルに搭載されるのは、2.0ℓ直4VTECターボだ。最高出力は272psを発生する。先代モデルの2.4ℓ直4(自然吸気)に対して、66psものパワーアップだ。先代モデルでは3.5ℓV6(自然吸気)も選べたのだが、2.0ℓ直4VTECターボは最高出力こそ劣るものの、最大トルクでは約18Nm上回る。

そして、新開発された3.0ℓV6直噴ターボは10年ぶりに復活する「タイプS」に搭載される。日本の栃木県にあるR&Dセンターが開発を担当したこの新エンジンは、スクロールターボチャージャーと電子制御式ウエストゲートの採用により、高トルク・高レスポンスを実現。タイプSの発売は2021年春の予定で、最高出力などのスペックはその発売時期に合わせて公表されるという。

新型TLXに用意されたタイプS。外観からは過激さは感じられない。現代版羊の皮を被った狼!?

リヤビューも控え目なスポイラーと4本出しテールパイプ、タイプSのエンブレムが主張する程度

2種類のターボエンジンに組み合わされるのは、10速ATだ。先代の8速AT&9速ATに対して、レシオレンジの拡大や1速のローギヤレシオ化などが実現しているほか、4段ダイレクトダウンシフト(例えば10速から6速へのダウンシフトが可能)も採用する。タイプSではレスポンスの良い走りが楽しめるように、この10速ATにも独自のチューニングが施される。

よりレスポンシブルに進化した第四世代SH-AWD

SH-AWDも進化した。新型TLXに搭載される第四世代は、リヤのトルク容量を40%増とすることで、フロントからリヤへのトルク伝達の速度を30%向上している。

新型TLXでは通常走行時、エンジントルクの最大70%をリヤアクスルに伝達し、リヤアクスルは走行状況に応じて、そのトルクの最大100%を左右の後輪に配分することが可能だ。

なお、SH-AWDは2.0ℓ車にオプション設定、タイプSには標準設定となる。4WDのタイプSは、新型TLXが初めてだ。

「タイガーアイパール」という新色は、タイプSの専用設定だ

タイプSは20インチホイールを標準で履く。2.0ℓグレードは18インチが標準だ
こちらはタイプSでオプションの20インチ軽量ホイール。タイプSのフロントブレーキキャリパーはブレンボ製だ


新型TLXではとかく走りのパフォーマンスに目が行きがちだが、安全装備に関しても新しい技術が採用されている。その一つが、助手席用エアバッグだ。これは野球のキャッチャーミットのように膨らむ3室構造を採用しており、衝突時に助手席乗員の頭部をより効果的に包むことが可能となっている。

アメリカで開発された新型エアバッグ。横からの衝突時でも、しっかりと乗員の頭部を保護してくれる

情報提供元:MotorFan
記事名:「 タイプSが復活! アキュラの新型TLXは3.0リットルV6ツインターボを搭載したハイパフォーマンスセダンだ