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カワサキ・Ninja ZX-25R新情報|05/22公開のオフィシャル動画から、その性能を読み解く。


コロナ禍の影響でインドネシアでの発表が延期になったカワサキの新型4気筒スポーツ、Ninja ZX-25R。我々はなかなかにじらされる状況が続いているが、ついに正式発表が近いのか、スーパーバイク世界選手権チャンピオンによる走行動画が公開された。ここでは、動画情報から作り手がどんな部分をアピールしたいのか、軽く分析してみよう


PHOTO●カワサキFacebook

1分程度の動画だがさまざまなことが読み取れる

5月22日にカワサキ・インドネシアYouTubeチャンネルで公開されたNinja ZX-25R走行動画(動画視聴はサムネイルをクリック)

 EV、自動運転、シェアリングが主流のこの時代、まさかの250cc4気筒を復活させたカワサキ。昨年から話題沸騰中のNinja ZX-25Rは、このマシンの主戦場であるカワサキ・インドネシアから、多くの動画コンテンツが配信され続けている。ただ、走行シーンは今年03月13日に公開されたイントロダクションビデオが最新(https://www.youtube.com/watch?v=K6c7RgXURS4&t=13s)だった。だが5月22日、ついにワールドスーパーバイク5連覇チャンピオン、ジョナサン・レイ選手の走行シーンが公開されたのだ。ここでは、各シーンを見ながら、マシンのアピールポイントをクイックチェックしてみよう。

この動画は今年1月にスペイン・へレスサーキットで、KRTのテストライド中に収録されたという。背景にKRTのピットが映った写真が公開済みだ(画像提供:カワサキ Facebook)

今風のグラフィックエフェクトで音を表現

●冒頭


 まず、視聴前にヘッドフォンを装着するように促される。スクリーミングインライン4というNinja ZX-25Rのヘッドコピーのとおり、このマシンの持つF1マシンのような高周波音は、最大のアピールポイントである。これをぜひ聞いてほしいというメッセージである。

結構濃い情報がサラっと記載されている

●00:14~ ライダーとマシンの紹介


 その後、ジョナサン・レイの経歴とNinja ZX-25Rの主だったスペックが紹介される。このスペックには着目だ。


 最大のトピックは、シャーシの設計において、スーパーバイクマシンの思想が反映されているとはっきりとした記載があること。いままで、250ccクラスでこのような記載をしたマシンは80年代レーサーレプリカ以外見当たらない。つまりこのマシンは、レーストラック直系のマシンだということを、カワサキが認めたわけなのだ。また、フライバイワイヤ方式のスロットルバルブ、アシスト&スリッパークラッチなど、予想されていた技術が明記されているのもポイントだ。ちなみにそこそこ上のほうにセンターラムエアと項目建てて明記するあたり、ラムエアで加圧し目に見えたパワーアップを果たしている可能性がある(89年発売のZXR250には、左サイドフェアリングのNACAダクトからエアボックスに導風するラムエアシステムが装備されていたものの、接続が途中で切れていたために、構造上ボックス内に加圧することはできていない)。エンジンに関しては、カワサキはこの新250cc4気筒エンジンを「カワサキ・スクリーミング・インライン4」と呼んでいるらしい。呼称を付けるということは、社内的に特別なエンジンであるということだろう。

優れた足回りをアピール

●00:34~ 1コーナーの進入


 ホームストレートからのハードブレーキだが、安定した姿勢でコーナー入り口にアプローチする様が見て取れる。フロントフォークに採用されたショーワの最新サスペンション「SFF-BP」のおかげだろう。ちなみにSFFとは、一方のフォークチューブに圧力分離ダンパー、もう一方にスプリング機構を採用することで機能を分割したフォーク。これに通常のフロントフォークより大径のダンピングピストンを追加したのがSFF-BPだ。フォークが縮み始める時のコントロール性が高く、ブレーキング時の姿勢変化が穏やかになるために、コーナー入口におけるシャーシの安定性が向上するとされている。現在同社のNinja ZX-6Rといった、スーパースポーツモデルにのみ採用されている。


 また、レイ選手は指1本でレバーを引いている。ここから、ラジアルマウントモノブロックキャリパーの繊細な初期タッチと、効きの良さを伺い知ることができる。さらに画像からは、シフトダウン時にリヤがホッピングしていないことが分かるので、バックトルクリミッターが効いている可能性も大だ。

結構深いバンク角を確保

●00:45~ 高速コーナー


 レイ選手は足を閉じたままコーナリングしているが、ヒザが路面に付きそうである。ガルアームとショートマフラーにより、Ninja ZX-25Rが、深いバンク角を確保しているのが分かる。また、高速コーナーでライダーが安心して体を預けているため、路面追従性やコントロール性において、サスペンションとシャーシがうまく調和しているように見える。

クイックシフターの感触が伝わる

●00:52~ 高速コーナー2 マルチアングル


 クイックシフター特有のパン、パンとシームレスにギアが落ちるさまが分かる。トップライダーがサーキットで使用している様を見ると、Ninja ZX-25Rいはふさわしい装備だと感じられる。従前は上級モデルにしか装備されなかったものだ。

往年のレプリカを思わせる太目のラジアルタイヤ

●00:59~ 最終コーナー


 レイ選手はぐっと外側に荷重をかけているが、市販タイヤ(ラジアルタイヤ)はスピンせず安定してコーナーを回りきっている。トラクション制御のKTRCが効いているとみるべきだろう。3速から4速のほぼレブリミット付近のパワーバンドを使って加速、メインストレートに向け脱出速度を高めているのが分かる。シフトタイミングは1万6000rpm付近。通常の2502気筒では不可能なエンジン回転領域である。このような超高回転域を使ってライドできる世界を実現させたことだけでも、Ninja ZX-25Rの価値が現状唯一無二であることが分かる。ちなみにアップシフトの際もクイックシフターが効いているようなので、ここからNinja ZX-25Rのクイックシフターは、アップおよびダウンの2ウェイであることが分かる。

このような思い切ったロゴの見せ方は従前のカワサキには見られなかったもの。新世代のマシンであることをアピールしている

 まずはスーパーバイクのチャンピオンが、結構本気で走っていることに驚かさせる。市販のタイヤで、しかも250ccにも関わらず、である。つまり、この動画で一番よく分かることは、WSBライダーの激しいコンロトールをまったくものともせず受け止めるシャーシ構成という部分だろう。最高速に関しては、バックストレートでの6速155km/h / 14800rpmを動画で確認できたが、直線の立ち上がり時のスピードやフル加速の距離などが分からないため、判断はできかねる。いずれ出る高速周回路でのトップスピードアタックなどを待つといいだろう。


 また、音に関して言えば、30年前と比べ非常に厳しい騒音規制となった2020年に、よくぞここまでの高周波サウンドを実現したなという印象。耳で聞いているのだけでもエキサイティングな気分にさせてくれる(ちなみに一部の80年代レプリカ世代は、音の迫力がないとよくコメントするが、さもありなん。記憶の片隅に残る排気音のほとんどはリプレイスマフラーの音であり、ノーマルのマフラーは当時それほどの音量ではなかったのだ)。動画は流行りのドローン撮影とGOPRO視点交えたテクニカルな構成だが、できれば、GoProのみのライダー視点での全周回画像も見てみたいと感じた。今後の公開動画に期待したい。

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