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V型エンジンのセオリー 異形のV6、VR6エンジン | 各種のエンジンの特質と動作を構造から考えてみる。V型エンジンの基礎知識③


自動車用のエンジンとして、非常に数多くの種類が生み出されてきた。


その理由は動力性能の追求、搭載性の都合、生産と設計の共通化など、さまざまである。


それらを踏まえ、現代まで生き残ったものがあり、消滅していったものがある。


ここでは各種のV型エンジンを、機械的な構成から紹介していこう。


第3回はV型はV型でも「VR=狭角V型エンジン」だ。


TEXT:MFi

VR狭角V型エンジン 搭載性と出力追求を両立させたユニークなユニット

Vバンク10.6度の後期型。バンク角の狭小化にともなってシリンダスリーブの下方配置は厳しくなることから、オフセット量は前期型の12.5mmに対して22mmにまで増やされている。後期型の最大のトピックは4バルブ化。前期型の直打型SOHC配列×2バンク構造に対して、ごく普通なDOHC配列になった。

 狭角V は、直列型とV 型の長所を併せ持つ。すなわち、互い違いにシリンダーを配したことによるエンジン長の縮小と、シリンダーヘッドがひとつで済むことである。クランクピン配置から見れば、直列型といえる構造だ。初期型は15 度、後期型は10.5 度のバンク角を持ち、それぞれ12.5mm/22mm のオフセットを双方のバンクに設けることでシリンダー下部の寸法干渉を回避し、エンジン全高を抑えている。前期型には5気筒仕様も存在した。

VR6のシリンダーヘッド | 燃焼室側からみるとシリンダー配列がよくわかる。シリンダーヘッドはひとつで済むものの、バルブトレーンや複雑なポートの配置などに困難がともなう。インジェクターも、左右バンクで長さの違うものを用いて装着している。

W型への展開 | VR 型でコンパクトな多気筒を実現できるなら、さらにそれをV 型として排気量を拡大すればいいと考え実現したのがW型。VR15 度の72 度バンク構成。縦置き搭載でパサートにのみ採用された。その後、W12とW16に発展している。

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