イタリアのカロッツェリア、ザガートの100周年を記念して限定生産される「アストンマーティン・ヴァンテージV12ザガート ヘリテージツインズ」の詳細が明らかになった。クーペとスピードスター、2台がペアで販売される。生産台数はわずか38台だ。
アストンマーティン・ヴァンテージV12ザガートは、2012年に「DB4GTザガート」の生誕50周年を記念して150台が限定生産された。今回、詳細が明らかにされたヴァンテージV12ザガート ヘリテージツインズはザガート100周年(とザガートとアストンマーティンの提携60周年)を記念して、そのV12ザガートを復活させたものだ。
目新しいのは、スピードスターの存在である(前回はクーペのみのラインアップだった)。その白眉は後ろ姿で、リヤフードはザガートらしいダブルバブル形状となっている。
ユニークなのは、そのスピードスターとクーペがペアで販売されること。「ツインズ」と謳っているのも、それが所以となっている。スピードスターとクーペはそれぞれ19台ずつ、合計38台のV12ザガートがアストンマーティンからライセンスを受けたRリフォージドによって生産され、19人の顧客の手に渡ることとなる。
ちなみにRリフォージドは、2019年にアストンマーティン・ヴァンテージでDTMドイツ・ツーリングカー選手権に参戦していたRモータースポーツと同様、AFレーシンググループの一部門である。AFレーシングはアストンマーティン、レッドブル・アドバンスドテクノロジーと共に、新型ハイパーカー「ヴァルキリー」の開発に従事していることでも知られる存在だ。
ヴァンテージV12ザガートは、600bhpを発生する5.9ℓV12エンジンを搭載する。最高出力は600bhpで、これは8年前のモデルから85bhpもパワーアップを果たしている。センターロックタイプのAPP Tech製19インチアルミホイールも新採用のアイテムだ。外装はオールカーボンファイバーで構成され、アクティブエアロと格納式リアウイングによって優れた高速安定性を発揮するという。
この度お披露目された画像を見ると、クーペがプラチナ、スピードスターがゴールドのボディカラーをまとっているが、これを指示したのはザガートの共同経営社であるマレラ・リボルタ・ザガートだ。「私たちの100年にわたる遺産とこれからの未来、2つを象徴するのが、ゴールドとプラチナだったのです。純粋さと優秀さを象徴するゴールドはこれまでの100年間に対する称賛であり、優れた耐腐食性と触媒能力を備えたプラチはこれからの100年の目標となるでしょう」と語る。
ヴァンテージV12ザガート ヘリテージツインズの正式発表は今夏を予定しており、2020年の第四四半期に生産を開始。イングランド中部のウォリックにあるRリフォージドの新工場において、ハンドメイドで組み立てられるという。