3月19日、日産自動車は、公益財団法人市村清新技術財団主催の「第52回 市村産業賞」において、同社の電動パワートレイン「e-POWER」が「貢献賞」を受賞したことを発表した。
「世界初、100%エンジンで発電し、100%モーターで走行するパワートレインの開発」が高く評価
今回、受賞した「e-POWER」は、ガソリンエンジンで発電し、その電力を利用してモーターの力だけで走行する、日産独自の電動パワートレイン。環境問題を背景に、自動車のパワートレインも電動化へのシフトが加速するなか、日産の「ノート」や「セレナ」に搭載されている。今回の受賞にあたっては、「世界初、100%エンジンで発電し、100%モーターで走行するパワートレインの開発」が高く評価された。
「e-POWER」は、日産がすでに量産している電気自動車の制御技術と部品技術を活用することに加え、エンジンを発電に特化した仕様・セッティングとし、バッテリー容量・出力と発電制御の出力とタイミングを最適化することで、性能とコストを両立させた世界で初めての電動パワートレインとして、量産車に実用。
「e-POWER」はシンプルなシステム構成のため技術的な信頼性が高く、システムを構成するコンポーネントも従来品を用いているため、高い品質レベルを確保している。また、将来的にも電気自動車や内燃機関など、それぞれの進化を容易に反映できるシステム。そして、今後拡大される自動運転との親和性も高く、あらゆる可能性を秘めた技術だ。さらに、燃費の良さに加えて、電動パワートレインならではのレスポンスの良いドライビングフィールを実現することで、発売以来、ユーザーからは「運転して楽しい」と、確かな評価を獲得している。
「e-POWER」はこれまで、2016年発売の「ノート」をはじめ、「セレナ」に搭載。合わせて累計37万台を超える台数を販売(2020年2月末時点)している。年間の二酸化炭素排出削減量は、約10万t、ガソリン消費削減量は年間約4.4万kLと、環境へも大きく貢献している。