グランエースの特徴は、豪華な内装を備えてかつ大人数乗車ができることだ。「Premium」は3列目にも最上級のシートを備え、「G」は8名乗車を実現する4列シートを用意。これまでにない上質内装時間を提供する。
REPORT●工藤 貴宏(KUDO Takahiro)
PHOTO●中野 幸次(NAKANO Koji)
MODEL●杜野 まこ(MORINO Mako)(身長158㎝)
※本稿は2020年3月発売の「グランエースのすべて」に掲載されたものを転載したものです。
〈取材車のプロフィール〉G
ボディカラー:ホワイトパールクリスタルシャイン
インテリアカラー:ブラックシート×フロマージュルーフ
※一部のカットは別グレードの車両を撮影しています。
〈運転席まわり〉仕立ては上質で華やかに
ハンドルは右にクルーズコントロールなど運転支援、左にメーター内液晶の切り替え、左右の下にオーディオ操作スイッチが並ぶ。
ワイパー/ウインカーレバーは一般的。被視認性向上のため、ワイパー操作に連動してヘッドライトが自動点灯する設定も可能。
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〈ナビ・AV・空調〉ディスプレイオーディオを全車に標準搭載
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〈注目装備〉
キーは携帯するだけでドアロック /アンロックやエンジン始動ができる非接触式。「SET」は予約ドアオープン機能で使用。
〈居住性&乗降性〉ステップで登る高いフロアが開放感のある視界を提供 「G」は4列すべてが異なるシートを備える
床も着座位置も一般的なミニバンより高くて見晴らし良好。アップライトな運転スタイルだが、基本的な運転姿勢はミニバンと変わらず違和感がないから心配はいらない。シートは全車とも本革張りで、電動調整機能(運転席8ウェイ+助手席4ウェイ)とシートヒーターを組み込んでいる。
高い床が一般的なミニバンと異なる乗降性を生んでいる。乗り込む際は“登る感覚”が強く、Aピラーに備わるグリップをつかんで身体を持ち上げると比較的楽だ。
2列目は全車とも「エグゼクティブパワーシート」を組み合わせる。サイズが大きく、リクライニングとオットマンの角度調整は電動。国内線航空機のファーストクラスと思えばいいだろう。写真のシート前後位置は、4列シート車で各席のスペースを均等にした状態。3列車はさらに広い。
床面の高さは地上670㎜程度と一般的なミニバンに比べると高く、乗降性はそれを反映。地面、ステップ、そして床と段差が大きいのがウィークポイントと言える。
「G」の3列目は「リラックスキャプテンシート」を組み合わせる。骨格はヴォクシー/ノアと共用しつつクッションや意匠はグランエース用に進化したものだ。スライド量は608㎜。「エグゼクティブパワーシート」と違いリクライニングは手動調整となる。
3列目へのアクセスはウォークイン機構を使って2列目を前へ畳んで行なう。スライドドアの開口幅が1000㎜と広いおかげで、通路幅は十分に確保されている。
「G」だけに備わる4列目は、3列目までと異なりベンチタイプ。着座可能状態でのスライド量は240㎜だ。2列目より3列目、3列目よりも4列目の方が車両の中央寄りにオフセットされる「V字レイアウト」で前方視界が開放的なのもポイント。3人掛けではなく2人掛けなのはゆったりと座るため。
エグゼクティブパワーシートのヘッドレストは左右部分が可動式。角度を付けることで頭をしっかりとホールドし、快適に寝られる。
〈室内の収納スペース〉4列乗員それぞれに至れり尽くせりの収納を完備
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7.インパネのセンターパネルには、リッド付きの小さなポケットも組み込む。リッドは押すと開く仕掛けのプッシュ式だ。USBケーブルをしまうのにもいい。
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11.センターコンソールボックスの後方には2列目用のドリンクホルダーを内蔵。中央の仕切りを取り外すとiPad mini程度のタブレットも置ける。
13.2列目の左右席間には折り畳み式のテーブルを用意。テーブルと合計4本の飲み物が置けるドリンクホルダーに加え、レジ袋などを吊り下げられるフックも組み込まれている。
14.2列目左右席間にある折り畳みテーブルのフック活用例。前方と後方の両方にあり、後方は3列目用としても便利だ。
16.エグゼクティブパワーシートのアームレストにもドリンクホルダーが組み込まれる。このアームレストの素晴らしいところは、姿勢を一切変えずに手を少し動かすだけで飲み物に手が届くこと。
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24.アシストグリップにはフックも併設。コートやジャケットなどを吊ることができる。ただし「ハンガー」は使用厳禁。エアバッグ展開時に弾け飛んで危険だからだ。
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〈注目装備〉
〈ラゲッジルーム〉「プレミアム」 は特大スーツケース4個が積載可能
「G」で4列目スライド最後端の状態では荷物はほとんど積めない。荷物の量にあわせてシートを前方へスライドできるが、4列目にも2人が座って大型スーツケースを複数積むのは厳しい。シートが小さく畳めないためだ。
4列目の座面をチップアップして前方へスライドすれば(3列目は最後部)、特大スーツケースを2個積めるようになる。さらに写真のように3列目も前へスライドした2列使用状態なら、床付近の奥行きを広げて複数の特大スーツケースが積載可能となる。
大型スーツケースを積める状況ではないものの、3列目を最後部へスライドした「Premium」は4列目を最後部にセットした「G」よりも余裕がある。
グランエースにとってはイレギュラーな使い方だが、2列目以降のすべてのシートを前へ出すと、フラットで広い床の荷室スペースが現れる。シートは2列目も3列目もロングスライドで調整は自由自在だ。