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HERE:Geodata Modelsを発表、5G無線ネットワーク計画のコストを低減し展開を加速


HERE Technologiesは2月27日、通信業界における5G無線ネットワークの計画と展開を加速しつつ、ネットワーク計画運営コストの低減をサポートする、HERE Geodata Modelsを発表した。

 HERE Geodata Modelsは、5Gアンテナ周囲の物理的環境を構成する建物、樹木、道路脇の地物(街灯、電柱、歩道橋、看板など)を表現する高精度で拡張可能な3Dデジタルモデル。この3Dモデルにより、5Gネットワークの計画者や無線周波数(RF)エンジニアは、リモートで現場の調査を行い5Gアンテナの配置を正確に計画することができるようになり、最適な通信エリアを構築できる。




 ミリ波の5Gネットワークでは、その物理特性により、場合によっては4Gネットワークと比べて平方キロメートルあたり10倍の数の基地局を設置する必要があると言われている。ミッドバンド周波数の4Gネットワークと異なり、ミリ波周波数帯の5G信号パスは建物、樹木、看板など地上の障害物からの影響を受けやすく、通信事業者はミリ波周波数帯のこの特性に対応するため、従来の3Gや4Gのネットワーク計画/設計ソリューションをはるかに上回る位置精度と拡張性を必要とする。




 HEREはNokiaやKineticaを含む複数の業界大手と提携し、ネットワーク計画/設計ソリューションへこの3Dデータを統合している。これにより通信事業者は、コンピュータ上で現地調査を一括実施してネットワークの展開を加速できると同時に、全体の設計とネットワークの計画にかかる事業費を削減できる。




 HEREの最高技術責任者(CTO)兼開発担当上席副社長であるGiovanni Lanfranchi氏は、次のように述べている。「卓越したネットワークサービスの提供を注力する一方で、コンシューマーおよび企業向けIoTの未来を支える5Gや高度なネットワーク機能への投資をする通信業界にとっては非常に心躍る時代と言えます。HERE Geodata Modelsは、移動体通信事業者が世界中で5Gネットワークの設計、展開、活用を促進するために必要な詳細データを提供します」




●5Gネットワーク計画向けのHERE Geodata Modelsには、以下の機能が含まれている。


・建物の高さ、重心位置及び建物の形状について、誤差±1m以内の精度で3D化


・個別の樹木の幹を地理空間的、幾何学的精度の誤差±1m以内で3D円柱化


・樹木の葉や植物のボリュームを地理空間的、幾何学的精度の誤差±1m以内で3D化


・個別の電柱の垂直部を地理空間的、幾何学的精度の誤差±1m以内で3D円柱化


・個別の街灯の垂直部を地理空間的、幾何学的精度の誤差±1m以内で3D円柱化


・解像度レベル1m以内のデジタル地形地図(地表からの高さを表現)




●全ネットワークにわたるモバイル通信信号強度と範囲の測定


 3Gから4G、そして4Gから5Gへの移行は単純ではなく、移動体通信事業者は、RF周波数帯を最大限に活用してサービスを最適化する必要がある。複数のネットワークを維持し、5G IoTの需要に備える通信事業者に対し、HERE Cellular Signals製品は、世界196カ国のモバイルネットワーク性能情報を提供する。通信事業者は、自社および競合他社のモバイル通信エリアを詳細に把握できる。信号の強度は基地局ごとに多角形で表示され、Excellent(非常に良い)/Good(良い)/Fair(普通)/Poor(悪い)の4カテゴリーで評価される。




 携帯電話会社は、HERE Cellular Signalsによって自社ネットワークの性能を把握し、競合分析によって自社が強いエリアと弱いエリアを明確にするとともに、より多くの情報に基づいたネットワーク計画を決定することができる。




●通信業界の5Gイノベーション、そしてその先に対応する3D位置データ


 HERE Geodata Modelsは、HEREの企業向け高解像度3D地図ソリューション群に加わる。自動運転車両システム(SAE L1-5)では、HERE LanesとHERE HD Live Mapを活用することで安全性と快適性を高めている。また、VerizonとHEREは、5Gネットワーク、エッジコンピューティング、HERE HD Live Mapを統合することで、車と歩行者の衝突防止技術の開発を目指している。このソリューションは現在、大規模な交通シミュレーション、ラストマイル配送やライドシェアのピックアップ/ドロップオフ向けのより詳細な位置特定と


ナビゲーション、リアルワールドゲームの開発に向けてテスト中。




 HEREは、AIと機械学習を活用し、電柱、樹木の幹、樹冠、建物などの派生的3Dオブジェクトを自動検出、取り込み、分類することにより、Geodata Modelsを継続的に改良および強化している。

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