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〈三菱デリカD:5〉進化を遂げた随一のオールラウンダー【ひと目でわかる最新ミニバンの魅力】


月間登録台数:1360台(19年6月〜11月平均値)


現行型発表:07年01月(一部改良 19年11月)


JC08モード燃費:13.6㎞/ℓ




REPORT●塚田 勝弘(TSUKADA Katsuhiro)


PHOTO●平野 陽(HIRANO Akio)


MODEL●大須賀 あみ(OSUGA Ami)




※本稿は2019年12月発売の「2020年 最新ミニバンのすべて」に掲載されたものを転載したものです。

タフなミニバンという印象は、マイナーチェンジ後も変わらず。背は高いが横長のテールゲートガーニッシュが見た目の重心を下げている。タイヤはマッド&スノーで、「M」が215/70R16で、ほかは225/55R18。

■主要諸元 P(8人乗り)


全長×全幅×全高(㎜):4800×1795×1875


室内長×室内幅×室内高(㎜):2980×1505×1310


ホイールベース(㎜):2850


トレッド(㎜)前/後:1540/1535


車両重量(㎏):1980


エンジン種類:直列4気筒DOHCディーゼルターボ


総排気量(㏄):2267


最高出力(kW[㎰]/rpm):107[145]/3500


最大トルク(Nm[㎏m]/rpm):380[38.7]/2000


燃料タンク容量(ℓ):64(軽油)


トランスミッション形式:8速AT


駆動方式:4WD


タイヤ・サイズ:225/55R18


最小回転半径(m):5.6


JC08モード燃費(㎞/ℓ):13.6


車両本体価格:437万1400円

先進安全装備

2019年11月に受けた一部改良で、踏み間違いに対応する前進時の誤発進抑制機能を追加し、全車「サポカーSワイド」に該当。衝突被害軽減ブレーキは、対前方車両が約5㎞/h以上、対歩行者は約5〜65㎞/hで作動する。

撮影車両データ

ボディカラー:スターリングシルバーメタリック×アイガーグレーメタリック


オプション装備:オリジナル10.1型ナビゲーション(27万6870円)/オリジナルナビ取り付けパッケージⅡ〈ステアリングオーディオリモコンスイッチ、ステアリングハンズフリー、ボイスコマンドスイッチ、ステアリングカメラスイッチ〉(1万8700円)/フロアマット(9万8978円)/特別塗装色(4万4000円)/他



ボディカラー

※は4万4000円高。 ☆は「URBAN GEAR」に設定なし。 ★は「URBAN GEAR」専用色。

インパネ

水平基調のインパネにより前方視界は良好で、狭い道や悪路でも取り回ししやすい。左右独立温度コントロール式フルオートエアコンを全車に標準装備し、カーナビはオプション。メーターは、視認性に優れるオーソドックスな二眼式。中央にディスプレイを配置する。

乗降性

1列目:ステップ高 450㎜ 助手席シート高 830㎜

2列目:ステップ高 460㎜ シート高 900㎜
3列目


床面も座面も高めで、特に1列目はよじ登る感覚で乗り込む。子どもやお年寄りなどへの配慮もされていて、2列目足元には、床面よりも約40㎜低い位置にステップがあり、センターピラーには上下2ヵ所にグリップを配置。さらに一部改良で、助手席側に自動で展開、収納する電動サイドステップを追加した。

全幅:1795㎜ ミラー・トゥ・ミラー:2095㎜
全高:1875㎜ 開口高:600㎜


全長:4800㎜ リヤゲート地上高:1860㎜ 最小回転半径 5.6m

スクエアなフォルムは、林道などの狭い悪路を走らせる際に周囲の状況が把握しやすく、取り回しのしやすさに貢献する。3列目まで広いという、パッケージングの良さも典型的な箱型の利点だ。185㎜という最低地上高もミニバンでは高く、雪上などでも安心して走破できる。

居住性



1列目:撮影車は電動パワーシートだったが、チルトステアリングのみでテレスコピックが付いていないのは惜しい。アームレスト付きのシートは大きめで、頭上にも足元にも十分な余裕がある。高めのアイポイントと相まって高い開放感が得られるのも美点だ。

3列目
2列目


2列目は3名掛けのベンチシート、2名掛けのキャプテンを設定する。2列目座面のヒール段差は十分に確保されているものの、座面前後長は短めなので長時間だと疲れを誘うかもしれない。3列目はシートが小さめで厚みもそれなりだが、足元が広く実用になる。

ラゲッジルーム

通常時:高さ 1120㎜ 奥行き 190㎜

2+3列目格納時:奥行き 1580㎜ 幅 1010㎜
3列目格納時:奥行き 1150㎜


3列目は前後スライドが可能なので、少し荷物が多い程度なら跳ね上げなくても奥行きを拡大できるのが最大の美点だ。その3列目は、「▲」マークにスライドさせて、背もたれを前に倒してから跳ね上げるが、操作レバーの位置が少し分かりにくく、かなりの力を要する。

うれしい装備

リヤゲートは大きめで相応に重いが、イージークローザー付きの電動開閉機構により楽に開閉できる。さらにスイッチを二度押すことで、テールゲートが閉まるだけでなく施錠も完了する(スライドドアにも用意)。

写真のベンチもキャプテンシートも座面を写真のように引き起こし、背もたれを立てるチップアップが可能で、荷室拡大に貢献する。大きな荷物や長尺物の積載時に重宝する。

全車標準のパドルシフトは、細長い形で指が届きやすく操作性は良好そのもの。マニュアル感覚のシフトチェンジが可能で、山道や高速道路などで重宝する。

4WD車は走行モードが切り替え可能。低燃費走行が可能な2WD、前後駆動力を最適化する4WDオート、悪路に向く4WDロックを用意。

マルチアラウンドビュー装着車は、ナビもしくはルームミラーに車両サイドや後方、前方を映し出す。ナビとミラーの同時表示は不可。
寒い冬場や朝に重宝するシートヒーターを前席両側に設定する。ハイ/ローの2段切り替え式で、状況に応じて温度の設定が可能だ。


フロアコンソールボックスはリッドを閉めればテーブルになり、下には小物が収まる。カップホルダーは4つあり、前後席で使える。
DC12Vのアクセサリーソケットに加えて、コンソールボックス裏にAC100Vを「M」を除き標準装備。家電の使用や充電などが可能。


SEAT ARRANGE

8人乗り:2名乗車+最大ラゲッジスペース
8人乗り:2名乗車+2列目&3列目フラットモード


8人乗り:4名乗車+長尺ラゲッジスペース
7人乗り:5名乗車+長尺ラゲッジスペース


3列目の左右跳ね上げには力が要るものの、3列目前後スライドによりフル乗車時でも奥行きの調整が可能。最大時は3列目を跳ね上げ、2列目を前にスライドさせてチップアップした状態。2-3列目をフラットにすれば仮眠にも対応する。荷物が多くなるキャンプやウインタースポーツなどのアウトドアから、車中泊まで対応するシートアレンジを用意する。

バイヤーズガイド

在庫があるなら「ALL BLACKS Edition」を買う。カタログモデルでは、安全装備と快適装備の充実度で、最上級の「P」か「G-Power Package」をベースにオプションを追加することになるが、ほぼ価格差もなくなるので、最初から「P」を選んだ方が賢明。電動サイドステップが標準なのも魅力。

2019年11月の一部改良時に、モダンな印象が付加された「URBAN GEAR」に最上級仕様の「PEdition」が追加された。最新型はディーゼル+4WDのみで、併売されている改良前のガソリン車は、FFと4WDを設定している。

M
P


URBAN GEAR G Power Package

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