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Motor-Fan.jp編集長:小泉建治が選ぶ「欲しいクルマ・オブ・ザ・イヤー2019」キーワードは“3”! DS3? MAZDA3?


年末恒例、当サイトの編集スタッフが「実際に欲しい!」と感じたニューモデルを発表する企画、それが「欲しいクルマ・オブ・ザ・イヤー」(略してHOTY)であります。技術的なトピックも業界的な意義も関係なし! 4番バッターは、モーターファン編集長の小泉建治です。

 こんな仕事をしていても、その年にリリースされたすべてのクルマに乗れるわけではありません。言い換えると、発売から2年、3年と経ってから、ようやく乗れるクルマもあるわけです。




 そういう意味では、今年「自分が初めて乗れたクルマ」のなかで最も「欲しい!」と思ったのはホンダ・シビック タイプRで、二番目はスズキ・スイフトスポーツでした。もう本当にすばらしい2台でして、試乗した後にホンダやスズキの公式サイトを何度も覗いてはボディカラーやオプションを検討し、夢想したものです。




 ただ、ここは自らメンバー全員に公布した「2018年12月から2018年12月までにリリースされた新型車」というレギュレーションを厳守し、上記2台を排除いたしました(涙)。




 すると……見事に車名に「3」の数字が並ぶことになったのでした。

第3位:DS3クロスバック

 クロスオーバーSUVなるカテゴリーで、ここまでカッコいいクルマを見たことがありません。しかも何にも似ておらず、既視感がまったくありません。




 ひとかたまりの岩から削り出したようなボディ、縦に連なるLEDデイタイムランニングランプ、シャークフィン形状のBピラー、フラッシュサーフェイス処理されたリトラクタブル式ドアハンドル、ウェザーストリップを隠したサイドウインドウなど、まるでコンセプトカーのような出で立ちです。




「どうせこのままのカタチじゃ出てこないんでしょ」なんて言っていたら、そのまま出てきてしまった。そんな感じです。




 見た目だけではありません。キーをポケットに入れたまま近づいていくと、ドアハンドルまであと1〜2秒というところでリトラクタブル式ドアハンドルがスッとポップアップします。で、ドアを閉めて1.5mくらい離れると格納されて完全にツライチになります。




 ハイテク満載で、キザなクルマ……なんというか、ボンドカー的な匂いが漂っているのです。このクラスでジェームズ・ボンドに似合いそうなクルマなんて、DS3クロスバックしかないでしょう。




 そして乗ってみると、クラス随一の8速ATがもたらす上質な走りがたまりません。 このコンパクトなクラスに8速もあるのは贅沢ですが、むしろコンパクトだからこそATの多段化の恩恵が大きいのでしょう。




 自分で買うならブルーミレニアムのボディにブランオパールのルーフの組み合わせでしょうか。ただ、グリアルタンスのボディにダイヤモンドレッドの組み合わせも捨てがたいです。う〜ん……。

ブルーミレニアム + ブランオパール
グリアルタンス + ダイヤモンドレッド


なんなんでしょう、このボンドカー的な佇まいは。撮影時の注目度の高さもなかなかのものでした。

菱形だらけのインテリアにもウットリです。これぞアヴァンギャルド(前衛的)を身上とするフランス車の真骨頂です。

第2位:マツダ3

 今年、話題を集めたクルマとして間違いなく1位か2位に入るMAZDA3。正直に申し上げてHOTYに選ぶのはどうかと思うわけですよ。COTYなら迷わず点数を入れていたでしょうけれど、「欲しいクルマ」にみんながイイって言っているクルマを選ぶのって、なんだか面白くないじゃありませんか。




 でもですね、外すわけにはいかないのですよ。世界最激戦区のCセグメント・ハッチバックのなかで一番カッコいいクルマが日本車だなんて、そんな事態は想像すらしていませんでした。




 SKYACTIV-Xもいいんですけれどね。それはあくまで自動車専門媒体としての視点。ディーゼルの力強さもまた魅力的ですが、それはそれ。




 個人的に欲しいのは、1.5Lガソリンの6速MTです。




 今どき自然吸気エンジンとマニュアル・トランスミッションの組み合わせなんて、なかなか選べません。現代において、過給器のついていないMTモデルは贅沢品なのです。




 ボディカラーはポリメタルグレーですね。最高です、この色。

この太いCピラーがたまりません。かつて所有していたキャデラック・エルドラドを思い出します。

ボディカラーはポリメタルグレー メタリックしか考えられません!

第1位:スズキ・カタナ

 ハイ、すみません。バイクです。でも、誰も「四輪に限る」なんて言っていないわけですよ。バイクにも「クルマ(車輪)」はついていますから。




 さてこの新生カタナ。最初に2018年のインターモト(ケルンショー)でワールドプレミアされたときは、写真を見て「?」となってしまいました。正確に言うと、その前年に出品されていたコンセプトモデルを見たときからなのですが、「低く、長い」シルエットが特徴的だった初代のカタナと比べると、あまりに「短く、高い」のです。




 ところが実物を見て、そんな疑念は一気にぶっ飛んだのです。「カッコいい!」




 タンクのボリューム感と、そこに刻まれた鋭いキャラクターラインが生み出す迫力は写真では絶対にわかりません。そして幅広のハンドル、高いシート、スパッと切り落とされたテール……現代流のストリートファイターそのものです。




 新型カタナはリバイバルでもなんでもありません。少々長めの空白期間を置いて、21世紀に相応しい姿にモデルチェンジしただけだったのです。




 たまに二輪専門誌などでカタナをネオレトロと表現しているものを見かけますが、どうすればこんなに前衛的なデザインがネオレトロに見えるのでしょうか? 19年ぶりに同じ名前が復活したから短絡的にネオレトロ? スープラも17年ぶりに同じ名前で復活しましたが、誰もレトロとかネオレトロとか言っていませんよね。




 まぁとにかく、実物を見たら一発で惚れました。




 そして乗ってみたら……本格的に欲しくなってしまいました。まずライディングポジションがドンピシャです。高めのヒップポジションから、近めにある幅広のハンドルに手を伸ばすと、自然と肘を張り気味のアグレッシブなスタイルになります。




 エンジンも最高にゴキゲンで、スーパースポーツに祖を持つ高回転高出力型なのに中回転域にもゴリゴリとした力強さがあって、まるで空冷のような手応えです。サウンドもド迫力です。




 カラーリングはグラススパークルブラックで決まりです。




 さて、このカタナだけ車名に「3」がついていないとお気づきの方も多いことでしょう。実はこのカタナ、デビュー前年のインターモトにコンセプトモデルとして出展されたときは、「カタナ3.0」という名前だったのです。




 カタナの世代の数え方は諸説あるのですが、おそらく1980年にデビューしたGSX110Sカタナを「1」、二輪初のリトラクタブルヘッドランプを採用して1984年にデビューしたGSX750Sカタナを「2」として、3番目のカタナの姿ということで「3.0」と命名されたのだと思われます。




 そんなわけで今年の「HOTY」は、新型スズキ・カタナといたします。みなさんよいお年を!

足つき性よりもアグレッシブなライディングポジションを優先させた開発陣に拍手です!

テールをスパッと切り落としたリヤビューが最高にアグレッシブです。リヤシートの下にはETCユニットが収まりそうです。

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