イタリア・ミラノで開催されているEICMA 2019(11月7日~10日)。現地ショー会場から話題の情報をレポート。アストンマーティンとブラウ・シューペリアという英国が誇る4輪と2輪の超プレミアムブランド同士の夢のコラボモデルが登場した!
REPORT●ケニー佐川(SAGAWA Kentaro)
歴代007の愛車として知られる超高級スポーツカー「アストンマーティン」と、かつて2輪のロールスロイスと呼ばれた「ブラウ・シューペリア」という英国を代表する名門ブランドのカップリングから生まれたのが「AMB 001」である。1919年に英国・ノッティンガム設立されたブラウ・シューペリアは当時最も高性能かつ高価なモーターサイクルで、映画「アラビアのロレンス」で知られる第一次大戦の英雄、ロレンス中尉の愛車としても有名だった。そして、2013年に復活したブラウは当時の雰囲気をオマージュしたハンドメイドの高級ブランドとして数種類のVツインモデルを展開してきた。
今回アストンとのコラボで生まれた「AMB 001」はブラウの水冷V型度2気筒997ccエンジンをベースに最新の可変ジオメトリータイプのインタークラー付きターボを搭載し、最高出力180psを実現。車体もダブルウィッシュボーン式フォークなど4輪で培った先進的なメカニズムを搭載。ボディパーツにもカーボンやチタン、鍛造アルミなどを多用することで、わずか180kgの乾燥重量で仕上げられている。デザイン要素にもアストンのスポーツカーのイメージが重ねられたエアロパーツや本革製シートを採用、伝統のスターリンググリーンで仕上げられるなど、名ばかりではない本気の意気込みが伝わってくる。
ネーミングからも分かるとおり、これは両社によるコラボの第一弾であり今後ラインナップを増やしていくことも視野に入れているらしい。
「AMB 001」はフランスのトゥールーズにあるブラウの工場で組み立てられ、限定100台が10万8,000ユーロ(約1,300万円)で販売される。最初のデリバリーは2020年の末ぐらいとのことだ。庶民にはまったく縁のない世界だが、歴史と伝統に裏付けられた英国ブランドのご威光がヒシヒシと伝わってくる圧巻のプレミアムマシンだ。