セールス絶好調のヴェゼルに対し、今ひとつ伸び悩んでいるCR-V。ヴェゼルにはない3列シートの7名乗りをラインナップするとはいえ、なんとなくキャラクターがカブる印象は拭えず、そうなると割高感が際立ってしまう。こうなったら、いっそのこと北米市場で人気のパスポートを日本にも導入してくれたらいいのに、なんて考えてみたりして……。
2018年夏に発売されたホンダCR-V。まだ一年しか経っていないのに、セールスはヴェゼルの影に隠れている印象が否めない。
2019年度前半(4〜9月)の累計販売台数では、乗用車(登録車)全体の中でヴェゼルが15位の2万8829台だったのに対して、CR-Vは46位の5416台と奮わない。ちなみにライバルのトヨタRAV4は13位の3万9299台だ。
理由はいろいろ考えられるが、おおざっぱに言ってしまえばCR-Vはヴェゼルとキャラクターがカブってしまうから、と言えないか? たしかにサイズはCR-Vのほうがひとまわり大きいし、7名乗り仕様もラインナップする。クラスは明らかにCR-Vが上だ。
■ヴェゼル
全長×全幅×全高:4330×1770×1605mm
ホイールベース:2610mm
■CR-V
全長×全幅×全高:4605×1885×1680mm
ホイールベース:2660mm
一方で、パワートレインはちょっと似通っている。
■ヴェゼル
直列4気筒1.5L
もしくは
直列4気筒1.5L+ハイブリッド
■CR-V
直列4気筒1.5L
もしくは
直列4気筒2.0L+ハイブリッド
で、価格はというと……
■ヴェゼル
211万3426円〜295万6800円
■CR-V
329万100円〜444万1800円
どうだろう? CR-Vにやや割高感があるというか、これならヴェゼルを選ぶという人が大半なのではないか?
そこでCR-Vの兄貴分、アメリカ向けSUVのパスポートの出番である。
エンジンは280psを発生するV型6気筒3.5L自然吸気のみのラインナップで、9速ATと組み合わされる。ボディサイズは下記の通り。
全長×全幅×全高:4840×1995×1834mm
ホイールベース:2817mm
これならヴェセルと悩む人なんていないだろう。もちろん日本では大きいけれど、欧州勢やレクサスなど、日本にもそれなりの規模のマーケットが存在するわけで、いかにもホンダの北米用モデルらしいバタ臭いアピアランスに惹かれるファンも少なくないはずだ。
なにより、日本でCR-Vとヴェゼルで盤石の体制が敷けているのなら余計なリスクを追う必要はないけれど、ヴェゼルの一本足打法が続いている現状を考えれば……いかがですか、ホンダさん!