『ご当地ナンバープレート』なる存在をご存知だろうか。全国各地域の名産品や観光地などがデザインされた、その土地ならではのナンバープレートだ。第46回東京モーターショー2019の全国自動車標板協議会ブースでは、このご当地ナンバープレート全種を見ることができる。
REPORT/PHOTO●伊藤英里(Eri Ito)
『ご当地ナンバープレート』とは正式名称を『地方版図柄入りナンバープレート』という。そもそもの始まりは、国土交通省が『走る広告塔』としてのナンバープレートの機能に着目したこと。2018年10月から交付が始まり、2019年10月現在で41地域のナンバープレートがある。2020年5月にはここに17地域が加わるということだ。
ここで気になることがある。ナンバープレートの地域名をよくご覧いただきたい。本来、ナンバープレートに記載される地名は、その地域を管轄する陸運局(運輸局・支局)または自動車検査登録所となるはず。例えば東京だったら、葛飾区、江東区は足立ナンバーになるはずなのだ。しかし『葛飾』『江東』ともに2020年から新しく交付されるナンバープレートの地域に入っている。これは一体……?
実はこの『ご当地ナンバープレート』、国土交通省に希望を提出した自治体に交付される仕組みなのだとか。ひとまず2020年5月交付の17地域以降は未定状態のようだが、今後さらに地域が追加されていくことは十分に考えられる。
重要となるナンバープレートのデザインもそれぞれの自治体で考えられていて、投票制を用いたり、自治体がデザイナーに依頼したりと方法は様々なのだとか。
そんな『ご当地ナンバープレート』、ブースのスタッフの方に人気ベスト3、つまり各地域での取得数ベスト3を伺った。
第3位……『仙台』
戦国武将、伊達政宗と仙台の有名な七夕祭りがイメージされている。おそらく伊達政宗人気が取得数を伸ばしたのではないかと思うが、仙台において伊達政宗の存在は大きいということなのかも。さらには仙台市の紋章が中央に配置されていて、三つの要素が含まれるのに情報過多を感じないのはすごい。どことなく漂う渋さは、やっぱり伊達政宗の存在だろうか。
第2位……『福山』
広島県は福山市のナンバープレート。これはもう、言わずもがなですね。そう、デザインされているのは広島東洋カープである。広島県民には広島東洋カープのファン率が高いとは聞いていたが、その人気ぶりがびしびしと伝わってくる。カープへの愛が熱い。
第1位……『熊本』
栄えある取得数第1位は……ずばり、『熊本』。くまモン人気は今も健在。ちょこっとのぞくくまモンにグッとくる。う~ん、さすがゆるキャラグランプリ2011年チャンピオン。見せ方を知っている(?)。ゆるキャラを採用しているのにファンシーすぎない雰囲気は、老若男女に受け入れられやすそうだ。そんなところも人気の秘訣なのかも。
ちなみに、『ご当地ナンバープレート』が取得できるのは四輪のみ。交付には1000円かかるが、この1000円は各自治体の道路状況改善などに使われるということだ。
街行くクルマに見ることはあれど、すべての『ご当地ナンバープレート』を見ることができる機会はそうあるものではない。この機会にぜひ、自動車標板協議会ブースへ足を運んでみてはいかがだろうか。
第46回東京モーターショー2019開催期間中は、好きな地域のミニナンバープレートを作ってもらうことができるうれしい来場者向けサービスも。自動車標板協議会ブースは西展示棟4階 西3で展開中だ。