10月22日に行なわれるパレード「祝賀御列の儀」で使用されるパレード用のオープンカーは、ご存知のとおりトヨタ・新型センチュリーをベースにオープン仕様に改造された特別なクルマだ。どんなクルマなのかまとめてみた。また、ノーマルのセンチュリーとどこが同じでどこが違うか考察してみた。
価格は8000万円(以内)
10月22日に行なわれる「即位の礼」の中心儀式「即位礼正殿の儀」の後に行なわれるパレード「祝賀御列の儀」で使用されるパレード用のオープンカーは、トヨタ・新型センチュリーをベースにオープン仕様に改造されたクルマを使う。
新型センチュリーの生産を担当するのはトヨタ自動車東日本(旧・関東自動車工業)である。公式発表に、どのコーチビルダー(メーカー)がオープンカーに改造したかは記されていないが、おそらくトヨタ自動車東日本が担当したのではないか。
ベースとなるトヨタ・新型センチュリーの価格は、1960万円(税込納車時 現在は1996万2963円)。今回のオープンカーは約8千万円を上限とする契約で内閣府が購入。9月26日に宮内庁に納車された。
通常、このような特別な乗り物は、スペアも含め2台作られることが多い(日本の政府専用機など)が、今回のパレード用の車両は1台だけ、という文字どおり世界で一台のスペシャルなクルマである。
オープンカーのボディサイズは? エンジンは?
そのオープンカーだがボディサイズは
全長×全幅:5340mm×1930mm
で、ベースとなったセンチュリー
全長×全幅:5335mm×1930mm
とほぼ同サイズだ。
現行センチュリーは先代レクサスLS600hのプラットフォームを使っている。とはいえ、オープン化にあたってBピラー、Cピラーを「切っている」から、フロアの補強などは入念に行なっていることだろう。
天皇皇后両陛下のお姿を沿道から見えやすくするために御料車を参考に後部座席の座面を前席より4cm上げ、シートバックの角度の25度に固定している。
ボディカラーは、通常と同じ「神威(かむい)エターナルブラック」だが、塗装は通常よりも多く重ねて仕上げたという。タイヤはブリヂストンのレグノ。インテリアはオープン仕様ということで本革製だ。パレード用のクルマだから、トップはなし。後席の後ろに少しだけ膨らんだ部分があるか、ここにトップが収納されるわけではないと思われる。それはAピラー上部の構造からも明らかだ。
エンジンは、先代レクサスLS600h譲りの5.0ℓV8DOHC+THS2。
エンジン型式:2UR-FSE
排気量:4968cc
ボア×ストローク:94.0mm×89.5mm
圧縮比:11.8
最高出力:381ps/6200rpm
最大トルク:510Nm/4000rpm
モーター:1KM型(224ps/300Nm)
を積む。
燃費情報は非公表だが、ベースのセンチュリーはJC08モードで13.6km/ℓとなっている。パレードは皇居から赤坂御所までの約4.6km。これを約30分間かけて走行する。
つまり、平均時速9.2km/hという非常にゆっくりしたペースということだ。モード燃費どおりに走れれば(走れないけれど)ガソリンはわずか338ccで走行できることになる。
安全性能・衝突回避・自動ブレーキシステムなのはセンチュリーのものをそのまま使っているようだ。
ちなみにパレードが行なわれる10月22日が荒天の場合は、10月26日(土曜日)に延期となる。
パレード終了後、オープンカーは、東京都港区の迎賓館と、京都市の京都迎賓館で一般公開される予定だから、もしかしたら間近で見られる機会があるかもしれない。