マツダは新型マツダ3をベースにしたTCR用レース車両「Mazda3 TCR」を発表した。世界各地で開催されているTCRレギュレーションのレースに参加するためのカスタマー・レーサー。北米でのデビューは2020年IMSA ミシュランPilotチャレンジ4時間耐久レースになる。
SKYACTIV-Gをシングルターボ過給で350ps!
TCRとは、FIA(国際自動車連盟)のるツーリングカーレース車両の規定だ。従来のWTCC(世界ツーリングカー選手権)終了後はTCR規定のマシンがWTCR(世界ツーリングカーカップ)を戦っている。
今回マツダが発表したMazda3 TCRは、ハッチバック・モデルがベースだ。エクステリアデザインは、北米カリフォルニア・アーバインのマツダ・デザイン・アメリカが担当。レースカーの開発は、マツダMX-5グローバルカップカーの開発も担当したロングロード・レーシング(Long Road Racing)が行なう。
TCRの規定では、
ベース車はツーリングカーのFIAグループA規定に準じた車両で4ドア、または5ドアとなっている。駆動方式は前輪駆動である。
ボディサイズは、全長4200mm以上、全幅1950mm以下
最低重量はベースモデルのトランスミッションを搭載する場合は1230kg、レース用トランスミッションを使う場合は1265kg(ドライバー含む)となる。
Mazda3 TCRは、パドルシフトを使う6速シーケンシャルだと発表されているので、レース用トランスミッションということになるだろう。
エンジンはシングルターボ過給の4気筒ガソリンまたはディーゼルで排気量は1750cc〜2000cc。
最高出力350ps、最大トルク420Nmとなっている。
発表ではMazda3 TCRも最高出力が350ps。エンブレムを見ると「SKYACTIV-G」とあるので、2.0ℓ直4ガソリンエンジンをターボ過給したパワーユニットをフロントに横置きする。サンプ方式はレース車両らしくウェットサンプ式だ。
レギュレーションで、サスペンション形式はオリジナル車両から変えてはならないことになっている。したがってMazda3 TCRは、フロントはストラット、リヤはTBA(トーションビーム式)になる。
ブレーキは、フロントが最大6ポット、ローター径380mm、リヤが最大2ピストンで量産車のABSを使うことができる。
ノーマルのマツダ3と並べてみると・・・
せっかくなので、市販のマツダ3とレース仕様のMazda3 TCRを同じ角度から眺めてみよう。
マツダ3のボディサイズは全長4460×全幅1795×全高1440mm。ホイールベースは2725mmである。TCR規定を考えながら、レース仕様を眺めてみよう。