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ZFが日本で推し進める電動化への一歩


ZFといえば、ドイツ、フリードリヒスハーフェンに本社を置く、メガサプライヤーのひとつだが、人とくるまのテクノロジー展 横浜 2019で発表された、商用車向け電動ドライブ「CeTrax lite(セトラックス・ライト)」は、ドイツ主導ではない。ZFジャパンのジャパンテックセンターのエンジニアリングチームが主導し、日本市場のニーズを調査・研究、一体型電動駆動ドライブ(=CeTrax Lite)を搭載の電動トラックを開発した。




TEXT:牧野茂雄(Shigeo MAKINO)


PHOTO:山上博也(Hiroya YAMAGAMI)

 自転車、乗用車からトラック、乗合バス、さらには農業トラクターまで、モビリティのすべてを電動化する─いまZFが取り組んでいる電動化は、CO2 低減だけでなく既存の社会システムへのスムーズな適合と効率の追求も狙っている。




 そのなかで、日本市場に対してはコンビニエンスストアやスーパーなどへのオンタイム24時間小口頻繁配送という独特のニーズに着目し、GVW(車両総重量)5~7.5tの小型トラック電動化を提案する。小型商用車向けの縦置き電動ドライブCeTrax lite(セトラックス・ライト)を開発し、デモトラックに搭載した。




 この電動ユニットは乗用車用と同じモーター/インバーターを使い、水冷式のステーターおよびインバーターとローター潤滑機構とオイルクーラーを備える。1段減速ギヤとモーター/インバーター/パワーエレクトロニクスを一体化した重量約118kg のコンパクトなシステムであり、モーターは最大150kW/定格85kw、システム電圧は350Vを想定している。




 いわゆる積載2tクラスの小型トラックは通常、GVW5tであり、普通免許で運転できる「8t以下」では冷凍・冷蔵設備を持つGVW7.5tまでが含まれる。ZFは、このクラスのエンジン/変速機をそっくり載せ替えるコンバート方式BEVとしてセトラックス・ライトを提案している。プロペラシャフトやデファレンシャルギヤ、ドライブシャフトはそのまま流用し、エンジン冷却系であるラジエーターはモーターとインバーターの冷却系として使用することができる。最小限の改造でBEV 化できる点が特徴である。




 毎日決まったルートでの配送を早朝でも深夜でも行なう日本の物流環境にあって、BEVの静かさは大きな商品価値を持つ。欧州では路線バスの電動化も進められており、この分野でもZFは実績を持つ。自由に動き回る乗用車よりも、用途が明確な商用車と公共交通のほうが本来は電動化に向いているといえる。

日本の小型商用車で主に使用されている、2トントラック(車両総重量5トン)を使用し、一体型電動駆動ドライブ(=CeTrax Lite)を搭載したデモトラックを実際に作った。既存の車両デザインのまま、完全電動トラックへコンバートできるのがメリットだ。

CeTrax lite は、ZF が持つ乗用車用のモーターや制御系をベースに横浜にあるジャパンテックセンターで開発された。すでに実績のあるアイテムを組み合わせており、信頼性の高いシステムといえる。バッテリー搭載量は用途などに応じて決まる。「絵に描いた餅」ではなく実際に走行可能な電動トラックを試作した点に注目したい。

商用車向け電動ドライブ 「CeTrax lite(セトラックス・ライト)」について説明する、eモビリティ ドライブライン開発担当のラフェル・パスカル・デラクルツ氏

【MFi OPINION】




イギリスで電動の牛乳配達車が登場したのは約70 年前。牛乳消費量が多く、新鮮な牛乳が求められるから、その早朝配達を静かな電動車が担った。日本ではコンビニに配送するうるさいトラックと新聞配達のうるさい原付バイクがまだいる。なんとかしてほしい。
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