Armは、パイオニアとモビリティ分野のデータマネジメントにおける協業を強化し、交通事故削減に向けた、AIを活用したデータ分析、および行動予測・事故予測モデルの構築に関する共同開発を推進することを発表した。
モビリティの変革や次世代交通への注目が高まる中、交通事故対策は世界的に重要な社会課題のひとつとなっている。今回の共同開発では、パイオニアの既販車向け先進運転支援システム「Intelligent Pilot」を基盤に、同社のデジタル地図データを活用した分析技術と、Armのカスタマーデータプラットフォーム「Arm Treasure Data eCDP」によるデータプラットフォーム構築、分析、活用に関する知見を組み合わせ、さまざまな交通手段からのセンサーデータ収集、AIを活用したデータ分析、事故削減のための行動予測・事故予測モデルの構築を行う。これにより、今後両社は、四輪車に限らず二輪車などを含めモビリティ全体の交通事故削減を目指す。
Armは、IoT デバイスから発生する大量かつ多種・多様なデータの管理・分析支援のためのデータ基盤としてArm Treasure Data eCDPを提供している。Arm Treasure Data eCDPは、オンライン広告配信やマーケティング、CRM(顧客管理システム)などの領域において、顧客一人ひとりのデジタル上の行動ログデータや属性データなどのカスタマーデータを統合することで、パーソナライズを軸とした顧客ロイヤリティの向上やデジタルによるビジネス変革を可能とするプラットフォーム。これらのデータを収集、統合して「事故リスク予測プラットフォーム」を構築することで、例えば、事故リスクの高い地点を運転中のドライバーに通知するなど、交通事故削減に高い効果の見込まれる注意喚起をドライバーの状況に応じて行うことが可能となる。
データ管理基盤の選定にあたっては、さまざまなデータソースと容易に連携可能なArm Treasure Data eCDPの柔軟性が高く評価された。また、本プロジェクトでは、基盤の提供のみならず、構築支援を行うArmのデータサイエンティストが、データ分析に関わる以下の項目を支援する。
1.分析技術およびロジックの設計: 二輪車・四輪車の運転傾向、事故リスク予測、運転支援及び渋滞予測を行うために必要となる分析技術とロジックの設計
2.データコーディネーション支援: 分析技術ロジックで必要となるデータ群の定義およびデータコーディネーション(データ収集・加工)の支援
3.分析データ整形: 収集したモビリティデータに対するデータの整形および分析
4.分析結果のモデル化: 技術支援分析結果に基づく予測モデル化支援