ほとんどのカーナビ、カーナビアプリで利用ができる「VICS」。渋滞情報を得られる欠かせない機能だが、仕組みやシステムを知っている人は意外に少ないのでは?
REPORT●浜先秀彰(HAMASAKI Hideaki)
表示方法には文字、簡易図形、地図の3種類がある
前回、VICSにはFM多重放送(VICS WIDE)、光ビーコン(高度化光ビーコン)、電波ビーコン(ETC2.0)の3種類の情報配信方式があるというお話をしたが、それぞれには「文字表示(レベル1)」、「簡易図形表示(レベル2)」、「地図表示(レベル3)」という3つの表示方法がある。
文字表示(レベル1)は渋滞している場所や渋滞の距離、規制内容などが文字のみで表示されるもの。FM多重放送では情報メニューから任意に表示させるが、光ビーコンと電波ビーコンでは地図に自動的に割り込む。
簡易図形表示(レベル2)は高速道路上に設置されている電光掲示板のようなもので、シンプルな図形によって渋滞箇所や所要時間を確認できる。こちらもFM多重放送では情報メニューから任意に表示させるが、光ビーコンと電波ビーコンでは地図に自動的に割り込む。
地図表示(レベル3)はもっとも目にするもので地図上の渋滞箇所に矢印が現れる。渋滞は赤色、混雑はオレンジ色、順調は緑色(初期設定表示させないことも多い)、工事や規制区間は黄色で示されており、矢印の長さで渋滞している区間を確認できる。ただし、この表示ができるのは「VICS対象道路」といわれる主要道に限られている。VICS WIDE対応カーナビの場合にはこれに加えてタクシーなどの走行情報を基にしたプローブ情報(東京都内のみ)が加わり、VICS対象道路以外の裏道や抜け道と言われる道路もカバー。カロッツェリアや自動車メーカー純正カーナビなどでは独自の渋滞情報を加えるためさらに対象道路が広がる。
また、地図上にはアイコンで交通障害や交通規制の箇所を示し、カーソルを合わせることで詳細な情報が得られる。サービスエリアやパーキングエリア、情報提供駐車場については満空情報をアイコンの色(満車=赤色、混雑=オレンジ色、空車=青色)で確認することもできる。下の写真はおもな表示例だ。