ジェイテクトは、腐食環境に適した新しい軸受を開発した。自動車のスライドドア用軸受として販売を開始し、様々な車両に採用されている。
近年、自動車の室内空間拡大への要求が高まり、スライドドアのレールが車両外側に取付けられる傾向にある。スライドドアにはドアをスムーズに開閉するために軸受が使用されていまる、レールが外側になるにつれ、軸受が雨水等の外部環境に晒され錆が発生しやすくなるため、耐食性の向上が大きな課題となっていた。
これをうけ、ジェイテクトは、2016年に被水環境下における発錆を抑制し耐久性を向上させた新しい軸受を開発した。開発品は、従来材料(SUS440C相当)と比較し、15倍以上の耐食性を有しており、大幅な性能アップを実現している。通常、材料の耐食性を向上させた場合、背反として強度・耐久性の低下が懸念されるが、この開発品は材料成分を適正化することで、従来材料(SUS440C相当)と同等の強度・耐久性をも実現している。現在この開発品は日本国内の車両を中心に採用されている。