いま、日本やヨーロッパで最も熱いカテゴリーと言えるBセグメントのクロスオーバーSUV。なかでも注目株は、この手のコンパクトカーを手がけたら右に出る者はないスズキが放った新鋭「クロスビー」だ。クラスのパイオニアとも言える「日産ジューク」、ベストセラーモデルをベースにアウトドアテイストを与えられた「トヨタ・アクア クロスオーバー」、そしてユーモラスな外観に似合わず悪路走破性もユーティリティもトップレベルの実力派「フィアット500X」と比較してみよう。
TEXT●小林秀雄(KOBAYASHI Hideo)
※ミラー to ミラー、シート高、ラゲッジスペース内寸法の数値は編集部調べのもの。
※レポーターの慎重は173cm。
XBEE HYBRID MZ
全高:1705mm
全長:3760mm
ホイールベース:2435mm
全幅:1670mm
ミラー to ミラー:1900mm
開口高:790mm
運転することが楽しくなりそうな、遊び心とユーティリティを兼ね備えたインテリア。便利な収納類が数多く用意され、物の置き場に困らない。エコクール付きフルオートエアコンや前席シートヒーターは全車に標準で備わるなど装備類も充実している。
カラーアクセントが採り入れられたおしゃれなシート。後席にもスライド機構を備えるため、膝前のスペースは実測160〜330 mmの範囲で調整できる。頭上には約110mmのクリアランスが取られ、とても広々とした空間が広がる。
後席が左右独立でスライドできるので奥行きは約530mmまで拡大可能。また背もたれを倒した状態でのスライドも行なえ、この時の床面長は最大で1160mmも確保。奥行き自体はさらに長い。
JUKE 15RX V Selection personalization
全高:1565mm
全長:4135mm
ホイールベース:2530mm
全幅:1765mm
ミラー to ミラー:1985mm
開口高:750mm
エクステリアに負けず劣らず、インテリアも独自のデザインが光る。空調とドライブモードを画面表示で切り換えられるインテリジェントコントロールディスプレイや、オプションのアラウンドビューモニターなど、先進的な装備類も個性的だ。
シート表皮は手触りのいいスエード調トリコットを採用。残念ながらシートヒーターは採用されていない。クロスビーと比較すると後席は狭く、ニースペースは約100mm、頭上スペースは約20mmと、窮屈な印象は否めない。
通常時でも奥行きは広く、一部グレードを除いて大きなラゲッジアンダーボックスも装備する。後席は6対4分割可倒式で、背もたれを倒すと、まずまずフラットな荷室フロアを実現。
AQUA Crossover
全高:1500mm
全長:4060mm
ホイールベース:2550mm
全幅:1715mm
ミラー to ミラー:2015mm
開口高:630mm
インテリアのデザインや仕様もアクア標準車と共通で、加飾や装備の内容は最上級グレードの「G」と同等だ。センターメーター内部には4.2インチのカラーディスプレイを備え、Toyota Safety Sense Cやオートエアコンも標準装備される。
撮影車はオプションのホワイトソフトレザーを装備。パッケージオプションに含まれる前席シートヒーターも備わっている。後席スペースは膝前が約150mm、頭上が約40mm。地上高が上がっているが、他車ほどの見晴らしの良さはない。
底の深い、ひょうたん型をしたラゲッジフロアが特徴。幅、奥行きともに申し分ない広さを備えるが、6対4分割可倒式の後席シートバックを倒すと、大きな段差が残ってしまう。
500X Pop Star Plus
全高:1610mm
全長:4250mm
ホイールベース:2570mm
全幅:1795mm
ミラー to ミラー:2030mm
開口高:730mm
「Pop Star Plus」はランバーサポートを含む8ウェイ電動式のレザーシートを標準装備。前席シートヒーターも備わる。ボディ外寸が大きい割に、後席の膝前は約 100mm、頭上クリアランスは約30mmと、室内空間はややタイトな印象。
欧州車らしくスクエアな形状のフロアを備え、通常時の奥行きは750 mmと四車の中で最も長い。後席は6対4分割可倒式で、背もたれを倒すと、少し傾斜した拡大フロアが生み出される。