冬のツーリングをより快適にするRSタイチの電熱グローブ、e-HEATシリーズ。今回はその使い心地について、実際に装着して走りインプレッションした。電熱グローブが発揮する実力はいかに。
REPORT●伊藤英里(ITO Eri)
第一弾【気になる逸品、使ってみた】最強の極寒対策!? RSタイチの電熱グローブ『e-HEATシリーズ』
e-HEAT GLOVE……1万4000円
e-HEAT PROTECTION GLOVE……1万7000円
e-HEAT ARMED GLOVE……1万9000円
インプレッションしたのはRSタイチの電熱グローブ、e-HEATシリーズの『e-HEAT GLOVE』。シリーズのなかでもソフトタイプのプロテクションが採用されたタイプだ。e-HEATシリーズは、電源をバッテリーか車両からとるか選択できるが、今回はバッテリーを内蔵して走った。
こうした電熱系のライディングギヤには賛否両論を聞くが、個人的には大歓迎派。とても寒がりで冷え性ということもあるし、快適にバイクに乗れるなら、文明の利器は使いまくればいいじゃない、と思う。それに、快適さは、イコール安全な運転につながるとも考えている。
さて、なによりも気になる、温かさについてまず検証していこう。e-HEATシリーズには3つの発熱レベルがあって、それを親指つけ根部分につけられたボタンで切り替えて操作する。最も発電レベルが高い『ハイパワー』は、かなり温かさを感じられた。朝夕の冷え込みでも、街乗りであればぽかぽかしたままバイクに乗っていられてとても快適。陽が差す日中では少しグローブ内が熱いと感じることがあるくらいだ。
同じく街乗りでは、気温によって、発熱レベルが中間の『ノーマル』または最もバッテリーのもちがいい『エコノミー』が使い勝手がよさそう。『ノーマル』ではほんのりと温かく、『エコノミー』は寒さを感じない、という印象。通勤やちょっとした移動などで使うのなら、その時間にもよるが、『ハイパワー』でしっかりと温めてから『ノーマル』や『エコノミー』に切り替えるとよさそうだ。
『ハイパワー』はそのモードだけ使い続けると、公式カタログ記載のとおり2時間でバッテリーが切れてしまった。そのあたりも加味しつつ、発熱レベルを調整するといいだろう。
さらに今回は、高速道路でも走行した。気温はだいたい5度くらい。この寒さになると、高速巡行では常時『ハイパワー』を勧めたい。1時間も走っていると、さすがに寒さが体全体に浸透してくるため、『ノーマル』と『エコノミー』では温かいという感覚は得られない。
『ノーマル』では少しずつ指が冷やされていき、それでも保温されている感覚はあるが、『エコノミー』でははっきりと「指が寒い」と感じた。極寒ではなく指が固まるほどではないのだが、この状況ではあまり『エコノミー』は適さないだろう。
ただ、前述のとおり『ハイパワー』ではバッテリーが2時間で切れてしまう。『ノーマル』でも持続時間は3時間。今回、バッテリー内蔵で走行してみて、どうしてもバッテリー残量を気にしながら走ることになるのは避けられなかった。それは高速巡行のシーンでも、街乗りシーンでも同様だ。よって、個人的にはバッテリー内蔵よりも車両から電源をとることをお勧めする。
ちなみにこのグローブ、ウインターグローブとしてもしっかりした保温機能を持っているので、電源を入れなくてもなかなかの暖かさ。そして、手を入れたときに触れる生地がとても柔らかくて心地いい。グローブ自体にボリュームがあるが、ボタン操作などにも問題はなかった。
快適で安全な冬のバイクライフのために、RSタイチの電熱グローブe-HEATシリーズはツーリングでも街乗りでも、大活躍してくれるだろう。