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レブスピード11月号の特集は「最新サスペンションテスト&セッティング大研究」。この取材において、スイフトスポーツのキャンバー調整で興味深い結果が出たのでここで紹介しよう。
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重心が高いクルマで大きくロールすると、タイヤのショルダーを使ってしまい、接地面積を有効に活かせない。そこで、タイヤをあらかじめ寝かせたアライメントのネガティブキャンバーにするのは定石。では、ZC33Sスイフトスポーツにおいて、キャンバーをつけるのがどれくらい効果的なのか? タイムの変化だけでなく、操縦性のメリット、デメリットの両面もリポートする。
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テスト場所は本庄サーキット。テストドライバーは、高い分析力とセッティング能力を誇るレーシングドライバーの木下みつひろ選手だ。
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初めは、設定できるキャンバー角の中間付近の3.5度。木下みつひろテスターは「減衰力はフロント5段戻し、リア最強で開始。進入で姿勢がつくりやすく、フロントタイヤの接地感を高めて旋回できた。アンダー傾向なので、これ以上のキャンバーは不要と思ったが、試しに減衰力をフロントも最強にしてみると、もっとコーナーに速く進入できた。引き換えにコーナーの中でのロールが増え、キャンバーが欲しくなった」と、セッティングの方向性を見出した。減衰力が前後最強で、ステアリングの切り込みとフロントの入り方が一致した。ベストタイムは46秒175だった。
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そこで、最大の5度。「フロントがどんどん入って、思い通りに曲がる。FFのアタックマシン風の旋回で、タイヤのグリップが明らかに3.5度より使えた。ただ、攻め過ぎるとロールが増えて、内輪の接地も弱まるようだ。何か制御が介入していると、ブレーキペダルが戻されることがあった」。
コーナリングスピードは上がったが、ブレーキング時の接地性は下がる。現代のクルマでは電子制御の介入によるタイムダウンも心配となるところだ。
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最小の1度では「タイムは落ちたが、ステアリングレスポンスは一番いい。車高が高いZC33Sはキャンバーをつけるイコール、タイムアップする傾向がある。キャンバーが足りないと、アンダーが強くなる」と、まとめてくれた。
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重心が高くロールも大きい傾向にあるスイフトスポーツでは、楽しく走るためにはキャンバーのセッティングも重要。タイムを追求するとキャンバーを大盛りにしたくなるが、ターンイン時に内輪接地が薄れてABS介入が大きくなるのも気になるところ。ただし、今回はタイヤが215幅だったが、さらにサイズアップした場合は気にならなくなるはず(その際は、よりコーナリングスピードが上がり、バネレートもアップしたくなるだろが……)。
いずれにしても、キャンバー調整が大きくラップタイムに影響することがわかった。そして操縦性も大きく変わる。愛車のタイヤのショルダーをチェックしながら、必要なキャンバー角を追求していってほしい。この調整を試してみるだけでも、自身のセッティング能力と経験値は大きくアップするはずだ。
■取材協力 ブリッツ TEL0422-60-2277 https://www.blitz.co.jp