ホンダCRF450Lに今回試乗したわけだが、400ccクラスのオフロードバイクに乗るのは2005年に登場したXR400モタード以来のことだ。まあXRはオフロードバイクといっても、オンロード走行をメインに前後17インチタイヤを装着したモタードなのでちょっとジャンルはちがうかもしれないけれど、いずれにしても、このクラスのオフスタイルバイクを前にして、年甲斐もなく緊張してしまったのである。
REPORT●栗栖国安(KURISU Kuniyasu)
ホンダ・CRF450L……1,296,000円
レーサー系直系とは思えないほど優しいエンジン
走り出してまず感じるのは、車体の軽さ。車高があるのにフラツキのない直進安定性を見せてくれる一方で、ハンドリングは軽快そのもの。バンク操作に重さがないので、たとえば狭い路地での右左折が気を遣うことなくできる。こうした高い機動性は市街地走行でも大活躍間違いなし。
CRF450Rベースということで、パワフルだけどちょっと扱いづらいんじゃないだろうか?と懸念していたエンジンだけど、穏やかな特性へとうまく抑えている。低中回転域でトルクの太さを実感するけれど、スロットルレスポンスに過激なところはなく、高回転域までスムーズに吹け上がる。3500rpmで最大トルクを発生させるエンジン特性としているので、一般道やダート走行では力強く、そして高速クルージングは快適という二面性をうまく両立させている。今回は高速走行できなかったのだが、100km/hのクルージングは難なくこなすことは理解できる。
ディテール解説
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■主要諸元■
・車名・型式 ホンダ・2BL-PD11
・全長×全幅×全高(mm) 2,280×825×1,240
・軸距(mm) 1,500
・最低地上高(mm)★ 299
・シート高(mm)★ 895
・車両重量(kg) 131
・乗車定員(人) 1
・燃料消費率※1(km/L)
国土交通省届出値 定地燃費値※2
31.0(60km/h定地走行テスト値)
WMTCモード値★(クラス) 25.7(クラス2)※3
・最小回転半径(m) 2.4
・エンジン型式・種類 PD11E・水冷 4ストローク OHC(ユニカム)4バルブ単気筒
・総排気量(㎠) 449
・内径×行程(mm) 96.0×62.1
・圧縮比★ 12.0
・最高出力(kW[PS]/rpm) 18[24]/7,500
・最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 32[3.3]/3,500
・燃料供給装置形式 電子式<電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)>
・燃料種類 無鉛プレミアムガソリン
・始動方式★ セルフ式
・点火装置形式★ DC-CDI点火
・潤滑方式★ 圧送飛沫併用式
・燃料タンク容量(L) 7.6
・クラッチ形式★ 湿式多板コイルスプリング式
・変速機形式 常時噛合式6段リターン
・変速比
1速 2.357
2速 1.705
3速 1.300
4速 1.090
5速 0.916
6速 0.793
・減速比 (1次★/2次)2.357/3.923
・キャスター角(度)★/トレール量(mm)★ 29°30´/127
・タイヤ 前 80/100-21M/C(51P)/後 120/80-18M/C(62P)
・ブレーキ形式 前 油圧式ディスク/後 油圧式ディスク
・懸架方式 前 テレスコピック式/後 スイングアーム式(プロリンク)
・フレーム形式 セミダブルクレードル
(Honda測定値)
*製造事業者/本田技研工業株式会社 熊本製作所
■道路運送車両法による型式指定申請書数値(★の項目はHonda公表諸元)
※1 燃料消費率は定められた試験条件のもとでの値です。お客様の使用環境(気象、渋滞など)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります
※2 定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です
※3 WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果に基づいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます