マツダファン、そしてマツダ車のオーナーにはたまらないイベントが、9月23日、静岡県・富士スピードウェイで開催された。その名は「Be a driver. Experience at FUJI SPEEDWAY」。当日は快晴にも恵まれ、駐車場や各種ブースはマツダ車とマツダファンで埋め尽くされた。笑顔の来場者4800人が盛りだくさんの各種アトラクションやレーシングカーのデモランを満喫した、その魅力に迫る!
サーキットに響き渡る、心地よい4ローターサウンド マツダをもっと身近に感じ、クルマづくりへのこだわりや造り手と直接触れ合える体験の場として各地で開催されている「Be a driver. Experience」-----。単なる“ファン感謝イベント”ではなく、マツダは「人とクルマの絆を、もっともっと深くする。」というコンセプトによる、開発者の熱き想いを伝える催しとなっている。富士スピードウェイでの開催は、2016年に続いて二回目となる。
この日、もっとも注目を集めたのは、1991年に日本車として初めてル・マン24時間レースを制したマツダ787Bのデモランだろう。 歴代レーシングカーとともにコースを駆け抜けるアトラクションとあって、タイムスケジュールが近づくと、787Bが展示されているピットには大勢のファンが詰めかけた。走行がスタートすると、久々にサーキットに響き渡る心地よい4ローターサウンドに酔いしれた。
「これ、いいなぁ」と思ったのは、パドックに「車種別の駐車コーナー」。これはマツダ車のオーナーだけが購入できる「マツダ車特別駐車券」を購入した人のためのスペースなのだが、オーナーはピットの近くまで愛車を乗り入れ、ほかの来場者は車種別にクルマを見ることができる一石二鳥のアイデアだ。この駐車場をグルッと見るだけでも、オーナーのクルマにかける愛情がヒシヒシと伝わってくる。
グランドスタンド裏のイベント広場は「カスタマイズカー展示」スペースだった。 ここではオートザムAZ-1の「展示」に目を奪われてしまった。ミリ単位で調整したと思われるほど、ピシッと綺麗に駐車していた。素晴らしい!!
また、同じくイベント広場のテント下にはアフターパーツブランドのショップが軒を連ねており、思わず物欲が刺激されてしまった人も多いのはず。 RE雨宮をはじめとする有名ブランドのテントの近くには、スポーツパーツで武装されたチューニングマシンが展示され、見どころ満点だった。
このイベントの凄いところは、あらゆるスペースを有効活用し、展示スペースやアトラクションを実施している点だ。 ピットビルAの前の270mに及ぶスペースには、有名な飲食店が出展する「ワールドフードコート」を展開。写真の「アメリカンダイニング SHARES」は、NYスモーキーチージードッグとスープのセットなどを販売していたほか、寿司やうどん、かまぼこの専門店が軒を連ねてファンの空腹をご馳走で満たしてくれた。
マツダのモノ作りに賭ける意気込みが表れたイベント ピットビルAの屋上にも、「これでもか!」というほど数多くのコンテンツを用意していた。 写真は「モノ作り展示/体験」「技術展示/実演」エリア内にある「鼓動デザインへの取り組みを紹介」するコーナーのひとつ。 「フロントエンド制度保証への取り組み」を紹介し、空気抵抗の低減による燃費低減だけでなく、万一の事故の際には乗員や歩行者の被害を抑えるメリットがあることを紹介していた。
屋上スペースには「ヒストリック&レストアカー展示」や「特設ステージ」が設置され、ステージでは古澤厳さんによるヴァイオリンライブや寺田陽次郎氏によるトークセッション「自分の信じる道を進もう」を開催。 このトークセッションで寺田氏は、ピット内にも展示した東日本大震災被災児童自立プロジェクト「Support Our Kids」を紹介した。
癒しの空間となっていたのは「秋田犬ふれあいコーナー」だ。 平昌五輪の活躍で世界のヒロインとなった、あのザギトワで一躍注目された秋田犬は、国指定の天然記念物でもあり、実はなかなか街で会うことができない。感受性が高く、従順な秋田犬は愛くるしく、このイベントに来場したほとんどの人が訪れたのは間違いない。もふもふ、かわいかった!
ピットビル2Fでは「人馬一体体験」「先進安全装備体験」というふたつの講座スペースのほか、「スマホ写真塾」や女性来場者が訪問した「BeauTEAサロン」などを展開。 そのなかでも、クルマ好きに刺さったのが「次世代技術&デザイン展示」である。モーターショーさながらに「KAI CONCEPT魅」を展示。その美しいボデイラインをジックリと見るだけでなく、隣の講演会場ではチーフデザイナーらによる座学も用意されていた。マツダデザインの秘密が明らかにされた。
ピットエリアでは「キッズ整備体験」というキッザニアのような子供向けの体験イベントも用意され、大人も子供も楽しめる企画が満載だった。 このほかにも紹介できなかったアトラクションが多数あり、来場者自らがスケジュールを組んでカスタマイズして過ごせるイベントと言える。
とにかくコンテンツが充実しているイベントだった。「ワンデーイベントなのに、一日ですべてを見ることができない」と思うほど、「参加」「体験」「講演」「展示」「実演」「試乗」……を詰め込んだ。 「Be a driver. Experience at FUJI SPEEDWAY」というサーキットイベントそのものに、マツダのモノ作りに賭ける意気込みが表れていた。次回、開催されるときは、ぜひあなたも足を運んで「体感」してほしい。