セアトとSeséグループは物流の最先端を行く。両社はヨーロッパ市場で最大級かつ最も燃費が良い、最新のデュオ トレーラーのパイロットテストを行った。試験走行はサラゴザからセアト本社のあるマルトレルまでで、8月中は物を運搬しつつ試験を継続する。
デュオ トレーラーは13.6mのふたつのトレーラーから成り、フォルクスワーゲンブランドのスカニア キャブによってけん引される。全長は31.70mとなり、最大積載量は70トンとなる。全体で一回の走行あたりの二酸化炭素排出量は20%削減でき、運用コストも25%削減できるとされ、今回の走行試験はそれを実証することが目的だ。高速道路などの交通容量の大きい道路で走行することを想定しているため、下道における大型車の交通量を減らし交通事故の削減にもつながることが期待されている。
セアトの物流・生産部門の副長Christian Vollmer氏は「デュオ トレーラーはトラックの交通量を50%も削減することができるだろう。これは持続可能性、環境適合性、そして安全性や経済性などで大きなメリットになるはずだ。イノベーションはセアトの原動力であり、Seséグループと協力してここまで来ることができた」とコメントした。
当面の間、走行試験では排出削減率や燃費効率、安全性を中心に評価しスペイン国内での正規運用化を目指す。Seséグループの専務取締役Ángel Pueyo氏は「この車両がもつ経済性や安全性などは公道の全体的な効率向上につながるだろう」という。
巨大トレーラーを次の段階へ
セアトとSeséグループは2年前、全長25m級の大型トレーラーを導入したことで持続可能なモビリティに確実な貢献となる一手を決めた。導入当時はスペインで最も長く、経済的なトレーラーだった。
しかし今回登場したデュオ トレーラーは一般的な市販トレーラーに比べた二酸化炭素排出量の低減が14%から20%へと増えた。これは6m、重さにして10トン分積載容量が増えたことで積載量1トン当たりの燃料効率が上がったからだ。
デュオ トレーラーは鉄道輸送とも互換性がある。これはスペインのコンテナ車はデュオ トレーラーの13.60mトレーラーとほぼ同じ長さであり、効率よくヨーロッパの鉄道貨物を運べるからだ。