「放置駐車違反金制度」の実施に伴い、クルマ(4輪)の駐車環境は年々、整備され、事実、2017年の駐車違反の検挙数は前年比、約4.3%の減少を見ているが、道路交通法では「車両」として同じ扱いを受けているバイク(自動2輪車)に関しては相変わらず整備が進んでいない。目的地に着いても「駐めるところがない」というライダー共通の悩みは一向に解消されていないというのが現状なのだ。ところが…。
1. 駐車場の整備に向けた働き掛けの推進
2. 自動二輪車等に配慮した駐車規制見直しの推進
3. 留意事項
まず、1は文字通り、警察から地方公共団体、道路管理者、民間事業者に対して、自動二輪車等が駐車可能な駐車場の新設を働きかけるということ。また、市区町村に対しては、その駐車場の設置に係わる条例の整備を求めるということ。
2は、従来、自動二輪車等を駐車禁止の対象から除外していない路線、エリアの内、駐車需要が高いと認められているにも係わらず、自動二輪車等が駐車できる駐車場が十分に整備されていないものについて、自動二輪車等を駐車禁止の対象から除外することが可能かどうかを検討し、その結果、駐車禁止規制の廃止、変更を行うことになった場合は、道路標識の整備や利用者に向けた後方を実施することが謳われている。つまり、2輪なら正々堂々と路上駐車できる場所が、大幅に増えるかもよ、ということだ。
ちなみに3は、必要性があって自動二輪車等の駐車禁止規制を実施している場所の取り締まりは従来通りだから勘違いしないでね、という断り書き。決して全面的な見直しではありませんよというわけだ。
実は、「駐車違反金制度」がスタートした2006年に、警察庁から「自動二輪車等に係る放置駐車違反の取締り等について」という通達が各方面に送付されて以来、自動二輪車等の駐車違反に対して、より一層厳しい取り締まりが行われていたのだが、今回の通達は、まさに、その真逆をいくもの。どこからか外圧を受けたのかどうかはあずかり知らぬところだが、いずれにしても、この通達は、ライダーにとってまさに朗報と言えるだろう。
もちろん、しょせんお役所仕事だから、実現するとしてもまだまだ先の話だが、実情に合わせた規制緩和により、バイクの利便性がアップすることは間違いない。それが販売台数アップにつながれば、業界も活性化するというものだ。ただし、治安悪化の今、盗難が増えることのないように、願いたいものです。
※本文の「自動2輪車等」には「原動機付き自転車」も含んでいます。
PHOTO:東新宿交通取締情報局